当院の発熱患者さんへの対応について(2024年4月1日以降)

1. 37.5度以上の発熱がある方(罹病期間内に1回でも37.5度以上の発熱があった方も含む)、咳・痰がひどい方、症状経過が4日以上の方、新型コロナウイルスやインフルエンザの可能性のある方は、受診前にあらかじめお電話で受診予約をお願いいたします。上記の方で、直接来院された方は、院内に直接入らず入口前でお電話してください。厚生労働省のマスク着用基準にのっとって、当院では発熱や風邪症状のない方も(患者付き添い、ご家族も)、院内ではマスクの着用をお願いしています。必ず着用して受診するようご協力をお願い申し上げます。マスクを嫌がる小さなお子さんは、可能であればマスクの代用になる方法で対応をお願いいたします。

2. 診察、投薬などをふくめて新型コロナウイルスはほぼ全てが保険対応になりますので自己負担分がかかります。また、新型コロナウイルスの治療薬は、基礎疾患があるまたは症状の比較的強い中等症以上の方に処方するパキロビット、軽症患者に処方できるゾコーバは処方可能ですが、自己負担分の補助は無くなりました。コロナ陽性患者さんの自宅隔離期間が5日間に短縮されましたが、発症2日前から発症翌日より10日間は感染させる可能性があるとされていますので、病院受診はあらかじめお電話いただき、医師に確認を取って受診してください。濃厚接触者(マスクなしで15分以上接触または同居者)の行動制限はなくなりましたが、濃厚接触の可能性のある方も必ず受診時にお申し出ください。

3. コロナ感染後の後遺症については、当院では後遺症外来は行っておりませんので、かかりつけ以外の方は名古屋市の後遺症相談窓口052-954-6618、または相談医療機関にご相談ください。

 基本的には、当院では可能な限り患者のみなさまが安心して受診していただけるように最大限の努力をさせていただいています。発熱患者さんと非発熱患者さんがなるべく交わらないように、入り口を別にして診察室も別にして、対応スタッフも分担しています。待合でも念のため、ソーシャルディスタンスが確保できるようにしています。また、安心して予防接種も受けれます。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒事前連絡と正確な情報提供を宜しくお願い申し上げます。

                                                       院長

2024年4月からのワクチン変更について(2024.03.26)

 上記の件について、以下の変更があります。

1.小児肺炎球菌ワクチンがプレベナー(13価)からバクニュバンス(15価)に完全切り替えになります。2価増えたということは、2種類の肺炎球菌に有効性が増えたことになり、安全性・有効性にも問題ありません。これまでプレベナーを接種したお子さんでも、4月からはバクニュバンスに変更して差し支えないとのことなので、名古屋市は完全切り替えになります。予約時にご確認ください。

2.新生児2ヶ月から4回接種していた4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)にインフルエンザ菌b型のワクチンを加えた5種混合ワクチンの接種も可能になります。基本的には、同じワクチン成分ですが、これまで4種混合ワクチンを接種していたお子さんからの変更はできませんので、新しく接種をスタートした2ヶ月以降のお子さんが対象となります。こちらも有効性・安全性には問題なく、注射の回数が減るメリットもあり、当院でも積極的に接種していきます。

3.65歳以上の肺炎球菌ワクチンの定期接種は名古屋市の補助は継続になりました。当院でも積極的にお勧めしていますので、ご相談ください。現在は、ニューモバックス(23価)を接種した後に、プレベナー(13価)の接種を自費でお勧めしています。プレベナーの代わりにバクニュバンス(15価)の使用も可能ですが、現在ガイドライン等のエビデンスを検討中ですので、ご相談ください。

                                          院長

2024年花粉症対策について

 当院では、即効性で眠気が少ないビラノア(R)や、鼻炎・かゆみなどの症状抑制に有効とされる抗血小板活性化因子(PAF)効果が追加されたルパフィン(R)血液中の薬物濃度が安定していて効果が一定なアレサガテープ(R)も処方しています。鼻詰まりの強い方には、オノン(R)やシングレア(R)も併用可能です。従来の抗アレルギー薬で効果が不十分な方は、一度薬剤の変更などもご検討ください。また、漢方薬(小青竜湯など)の併用も有効な場合が多いです。鼻の吸入薬や目薬も各種相談に応じて処方しています。

 さらに当院では、スギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)やダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が可能です。舌下免疫療法とは、アレルゲンと呼ばれるアレルギーの原因を含む治療薬を服用してアレルギーを治療することで、注射の痛みがなく、自宅で可能な治療法です。どちらも個人差はあるようですが、約70~80%に効果が認められ(治る可能性は20%くらい)、アナフィラキシー(血圧低下や呼吸困難など)とよばれる重篤な副作用は極めて少ないと言われています。ただし、口のかゆみやはれ、不快感など軽度のものが認められることはあります。効果は、鼻炎だけでなく、眼やのどの症状にも有効で、他のアレルギー治療薬を減らせる効果が期待できます。ただし、現在のところ、スギ花粉症、ダニ(ハウスダストも可能性あり)によるアレルギー性鼻炎のみしか薬がなく、他のアレルギーには無効です。気管支喘息に関しては、保険適応ではありません。

 内服は1日1回で、5歳から65歳までの方が投与可能です。ステロイド剤の内服以外は、他のお薬と併用可能です。最低2年間内服して、3~5年内服継続し、効果が安定していれば、一旦終了する治療です。そして、また症状再燃あれば再開することになります。この治療は、内服してすぐに効果がでるものではないので、効果が期待できるのに3ヶ月以上かかると言われているので、スギ花粉症の治療であれば10月までに開始することをおすすめしています(スギ花粉症の場合、飛散時期には開始しない方がいいと言われているので、1月から5月の間はおすすめしません。また、早ければ早く始めた方が有効なようなので6月からがおすすめです)。ダニについては、特におすすめの期日はありませんが、花粉症のシーズンは避けることをおすすめしています。最初の1か月は、副作用の確認のため、1~2週間ごとに通院していただきますが、2か月目以降安定すれば1か月に1回の通院で可能です。

 実際に治療を開始する際には、身体診察にアレルギーなどの問診にくわえて、鼻の診察、採血によるアレルゲンの確認を行い、投薬可能かどうか判定させていただきます。1回の診察ですみますが、結果判明まで約1~2週間かかります。初回投与は、安全のために院内で行い、30分ほど院内で経過を診させていただきます。以下に、治療のおすすめの方をあげさせていただきます。

  • スギ花粉症やダニアレルギーが採血などで確定している。
  • アレルギーの症状が強く、薬の効果が少ない。
  • アレルギーの薬の副作用(眠気や口の渇き、倦怠感など)がつらい。
  • 受験や妊娠などのイベントが数年以内に予定されている(ただし、妊娠中の内服については医師の判断になるため、治療終了時の妊娠が安全です)。
  • アレルギーの症状や薬の副作用が差し支える職種である。

逆に、治療について注意が必要な方は、

  • アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こしたことがある方
  • 安定していない気管支喘息
  • 重篤な心疾患、肺疾患のある方
  • ステロイドや免疫抑制剤をのんでいる、がんなどの治療中の方
  • 口の中に傷がある、口内炎などの口の中に炎症がある方
  • 妊娠、授乳中の方
  • 12歳未満、65歳超の方

治療のご相談は、当院までお願いいたします。

参考:もっと知りたいアレルゲン免疫療法

駐車場広くなりました(2024.01.09)

駐車場広くなりました。ご利用ください。

胃内視鏡検査の中止について

当院では、胃内視鏡検査は施行しておりませんので、ご了承ください。

当院における高齢者肺炎球菌ワクチン接種の考え方について

2017年1月25日に高齢者(65歳以上)の肺炎球菌ワクチンについてNHKのガッテンで取り上げられ、多くの患者さんから問い合わせがあり、当院における考え方を説明させていただきます。

65歳以上の高齢者の方に必要な肺炎球菌ワクチンには、2種類あります。まずは、ニューモバックス®という23価莢膜ポリサッカライドワクチンがあり、現在65歳以上の高齢者に定期接種制度(初回のみ半額補助あり)の対象となっているワクチンです。こちらは、肺炎球菌による肺炎の重症化を防ぐ効果が高いですが、効果が5年で繰り返し接種する必要があります(当院では、自費の場合1回8000円)。もう一つは、小児に用いられていたプレベナー®13価結合型ワクチンで、こちらは自費のみですが、2015年から65歳以上の高齢者にも接種可能となりました。こちらは、肺炎球菌の定着を防ぎ、効果は一生持続すると言われています(当院では1回9000円)。米国では、両者を接種することによる相乗効果が指摘されていて、2014年から両者の接種を推奨しています。現時点では、日本人におけるエビデンス(臨床効果における根拠)は未確立とされています。従って、当院では、肺炎に罹患しやすい高齢者の方には、以下のメニューで両者の接種をおすすめしています。特に、プレベナーを接種した方には、ニューモバックス®の再接種は重症疾患のない方には必要ないと考えています。

A)65歳以上で重症疾患のある方でニューモバックス®未接種の方プレベナー® → 6か月から1年後ニューモバックス®
B)65歳以上でニューモバックス®未接種の方ニューモバックス® → 1年後プレベナー®
C)65歳以上でニューモバックス®接種すみの方1~5年後にプレベナー®(期間は相談)
D)60~64歳の心・腎・呼吸器重症疾患またはHIV患者の方ニューモバックス® → 65歳プレベナー®

尚、名古屋市は65歳以上の方で初回の方のみ、年齢に関わらずニューモバックス®は任意接種(補助あり)の対象となります。

人生会議(Advance Care Planning)とは・・・

「最高の人生の見つけ方」「素敵な人生の終わり方」「エンディングノート」など、人生の終活についての映画などが話題になりました。現在、医療、特に在宅医療の場面では、元気で自分で判断できるうちから、ご自身の人生の最高の終わり方を家族や医療者と話し合う重要性が提唱されています。これは、命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、自分の思うような医療・ケアが受けられなかったという事実にもとづいています。そのため、がんなどの不治の病にかかった時に将来をあらかじめ、ご自身でしっかり判断できるうちに決めておくことを人生会議(Advance Care Planning)と呼び、厚生労働省や日本医師会も積極的にこれらの活動を勧めています。当院も以前から取り組んでおり、ご自身の意思の確認は困難ですが、認知症の患者さんも含めて取り組んでいます。今回、当院で使用していた事前指示書とよばれる「人生の最終段階における医療・ケアの決定事項」の最新版を公開します。ご自身の終活を考えていらっしゃる方、大切なご家族の将来を考えていらっしゃる方は、是非ご相談ください。

参考:

「人生会議」してみませんか
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html

自らが望む人生の最終段階における医療・ケア
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html

終末期医療 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)から考える 日本医師会
https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/006612.html

ACP推進に関する提言
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/acp.html

認知症高齢者の運転免許書更新等に関する診断書作成について

平成29年3月12日の道路交通法改正によって、75歳以上の高齢者の方で
1)免許更新時における認知機機能検査で認知症疑い
2)一定の違反をした場合の臨時認知機能検査で認知症疑い
の場合は、かかりつけ医等を受診して「診断書」が必要となります。

当院では、かかりつけ患者さんに対して「診断書」を発行させていただくだけでなく、適切な認知機能検査を行い、免許書の自主返納*1についてのご相談にも対応します。

診断書作成に必要な検査(保険適応)

  1. 問診、ご家族からの情報
  2. 身体診察、神経学的所見、身体機能検査
  3. 認知機能検査:MMSE、長谷川式認知症スケールなど
  4. 画像診断:MRI、CTなど
  5. その他の検査:一般採血、甲状腺機能検査など
  • かかりつけ患者さんで、検査施行済みの場合は不要です(当院では、高齢者の患者さんには、事前検査を勧めています)。
  • 診断書(自費5400円)
  • 自主返納*1を選択された場合は不要です。

お問い合わせは、たけうちファミリークリニックまでお願いします。ただし、初診や検査依頼のみの患者さんには対応しておりません(当院は専門病院ではないため)。

*1 運転免許書の自主返納

運転免許書の有効期限内に、運転免許が不要になったり、病気等で運転に自信がない、実際に運転できない方などが、ご自身から申し出て警察署に免許書を返納することです。その際には「運転経歴証明書」が発行され、65歳以上の方は「高齢者運転免許自主返納サポーター」として登録している店舗などで割引などの特典が受けられます。

https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/tetsuzuki/koushin/menkyo/koureisya.html

便秘薬の最新情報

慢性便秘症とは

慢性便秘症の診断基準(成人)慢性便秘症診療ガイドライン2017

1.「便秘症の診断基準」

以下の6項目のうち、2項目以上を満たす

  • 排便の1/4超の頻度で、強くいきむ必要がある
  • 排便の1/4超の頻度で、兎糞状便または硬便である
  • 排便の1/4超の頻度で、残便感を感じる
  • 排便の1/4超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある
  • 排便の1/4超の頻度で、用手的な排便介助が必要である
  • 自発的な排便回数が、週に3回未満である

2.「慢性」の基準

6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たしていること

小児の慢性機能性便秘症の診断基準(小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン)

Neonate/Toddler

4 歳未満の小児では、以下の項目の少なくとも 2 つが 1 か月以上あること

  • 1 週間に 2 回以下の排便
  • トイレでの排便を習得した後、少なくとも週に 1 回の便失禁
  • 過度の便の貯留の既往
  • 痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
  • 直腸に大きな便塊の存在
  • トイレが詰まるくらい大きな便の既往

随伴症状として、易刺激性、食欲低下、早期満腹感などがある。大きな便の排便後、随伴症状はすぐ に消失する。
乳児では、排便が週 2 回以下、あるいは硬くて痛みを伴う排便で、かつ診断基準の少なくとも 1 つ がある場合、便秘だとみなされる。

Child/Adolescent

発達年齢が少なくとも 4 歳以上の小児では、以下の項目の少なくとも 2 つ以上があり、過敏性腸症 候群の基準を満たさないこと

  • 1 週間に 2 回以下のトイレでの排便
  • 少なくとも週に 1 回の便失禁
  • 便を我慢する姿勢や過度の自発的便の貯留の既往
  • 痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
  • 直腸に大きな便塊の存在
  • トイレが詰まるくらい大きな便の既往

診断前、少なくとも 2 か月にわたり、週 1 回以上基準を満たす

日常生活からの便秘対策

食物繊維食物繊維が不足していると考えられる場合には、1日当たり成人男子20g以上、成人女性18g以上の摂取を推奨(両てのひらにのる野菜を毎食)。ただし、過剰摂取は逆に便秘の原因になります。
発酵食品ヨーグルトなどの乳酸菌食品で腸内細菌のバランス改善効果。
水分摂取水分不足の予防により効果が期待できる。朝起きたときの副交感神経が優位な際の飲水はより効果的だが、過剰摂取に気を付けます。
運動運動による腸蠕動の活発化などの効果が期待できます。
マッサージ1日15分のマッサージ(へそを中心に「の」の字を書くように)が有効です。温罨法と言って温めるのも有効で、入浴中などにも定期的に施行します。
排便姿勢ロダンの考える人(かかとをあげ、両肘は太ももの上に置き、前傾姿勢になる)がいいとされますが、転倒しないように気を付けましょう。
排便習慣毎日、排便がなくても定時に便器に座り、排便を試みることも有効です。
シャワートイレ排便なくてもシャワートイレで肛門に刺激を与えることも有効です。

便秘薬(当院で使用している薬)

浸透圧性下剤

  • 塩類下剤…酸化マグネシウム、マグミット、硫酸マグネシウム
    腸管から吸収されにくい水溶性無機塩類で、浸透圧作用によって腸内容の水分を維持し、腸の蠕動も促進するWの効果。効果は早く1-2時間で有効とされ、習慣性が少なく、長期使用も可能(腎機能障害には注意)。
  • 糖類下剤…ラクツロース、モニラック、D-ソルビトール
    消化されない非吸収性の糖類の作用で、浸透圧により水分を保持するだけでなく、腸内細菌によって変化し、腸を活性化します。

刺激性下剤

  • アントラキノン系…プルゼニド、アローゼン、センノシド
    大腸粘膜を刺激して蠕動を起こさせ、排便を促す。服用後6-15時間かかって排便させるため、就寝前に服用する。連用により刺激性が低下する可能性があり、依存性もあるので、短期使用が勧められる。
  • ジフェニール系…ラキソベロン、ピコスルファートナトリウム
    液体で量が調節しやすく、飲みやすい特徴がある。

直腸刺激剤

  • ビサコジル坐薬…テレミンソフト
    直腸粘膜を刺激して、排便反射を誘発する。
  • 炭酸水素ナトリウム配合剤…レシカルボン坐薬
    肛門から挿入後、体温で温められて、炭酸ガスを発生し、直腸を刺激する。
  • グリセリン浣腸
    グリセリン液で直腸壁からの水分吸収に伴う刺激にて蠕動を促進し、また、便を軟化・膨潤させて糞便を排泄させます。

漢方薬

大建中湯、麻子仁丸、大黄甘草湯、大承気湯、防風通聖散など

合剤

セチロ(ダイオウ、センナ、オウレン、マグネシウム)

新しい便秘薬

  • アミティーザ(ルビプロストン)1日2回朝夕食後内服
    小腸上皮頂端膜に存在するClC-2クロライドチャネルを選択的に活性化することで、腸管内への水分分泌を促進し,糞便の腸管内輸送を高めて排便を促進するという全く新しい作用の便秘薬です。
  • リンゼス(リナクロチド)1日1回朝食前内服
    腸管の上皮細胞に存在するGC-C受容体に作用し、腸管内への水分分泌を促進し、小腸運動を活性化して、便通を改善します。また、神経線維に作用して、腹痛や腹部不快を改善します。
  • グーフィス(エロビキシバット)1日1回夕食前内服
    大腸内での胆汁酸の吸収を抑制することで、大腸内の水分分泌を増加し、胆汁酸の刺激で大腸運動を促進します。効果発現まで5時間以上かかります。
  • モビコール(ポリエチレングリコール製剤)1日1-3回水に溶かして内服
    ポリエチレングリコールが水分を保持することで、便通を改善します。即効性はなく、1週間くらいで効果が安定します。小児に使用しやすい安全な便秘薬です。
  • スインプロイク(ナルデメジントシル)1日1回朝食後 モルヒネなどを服用している患者のみ
    消化管のオピオイド(モルヒネなど)受容体に結合し、オピオイドの副作用である便秘をブロックします。効果発現まで5時間以上かかります。

新しい便秘薬は、従来の便秘薬と全く作用機序が異なるので、併用も可能です。当院では、小児の便秘から高齢者、がん患者の便秘まで対応しています。

インフルエンザと診断された患者さんとご家族の方へ

インフルエンザは人から人へ、咳やくしゃみなどの飛沫(しぶき)を直接吸い込んだり、病気の人が咳やくしゃみを手で覆った後や、鼻をかんだ後にドアノブなどに触れ、その触れた場所に付いたウイルスを別の人が触れ、その手で目や鼻、口に触れることでうつります。 インフルエンザの家族を自宅で看病する場合、自分や他の家族を守るために以下の点を心がけましょう。

  • できる限り病気の人との接触を避けましょう。2 メートル以内の接触が避けられない状況ではマスクを着用しましょう。マスクをはずした後は石鹸で手洗いするか、アルコール消毒剤で手を清潔にしましょう。咳エチケット、手洗いを心がけましょう。
  • 糖尿病、心臓病、喘息、腎臓病などの持病のある方、妊娠している方はインフルエンザが重症化したり、合併症にかかる危険が高くなります。こういった方にはなるべく看病をさせないようにしましょう。また、予防薬を飲む必要があるか、かかりつけ医にご相談ください。
  • 家族の皆が水と石鹸で十分に手洗いするか、アルコール消毒剤で手指の清潔を保つよう気をつけましょう。手洗いのあとは使い捨ての紙タオルで手を拭くか、布タオルを使う場合はそれぞれの家族が個人専用タオルを使うようにしましょう。
  • 家族にインフルエンザの症状がないか注意を払いましょう。看病をしている人はインフルエンザにかかる危険が高く、症状が出る前に人にうつしてしまう可能性があるで、外出の際はマスクをつけましょう。
  • 病気の間は職場、学校へは行かないで下さい。症状が完全によくなっても、お子様は2 日間はなるべく学校を休み、外出を控えてください。
    保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校では「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間(幼児は3日間)経過してから登校・登園」と学校法で決められています。成人の場合や大学生の方は、職場や学校に問い合わせしてください。
  • 十分な睡眠と休養をとり、脱水を防ぐため水分を取ってください。(スポーツドリンク、電解質入り飲料水など。特に、大塚製薬のOS-1は大変有用です。)

次の症状があれば、当院に連絡するか、受診しましょう。

  • 呼吸が苦しそうなとき、胸の痛みをうったえるとき。
  • 唇が紫や青色に変色しているとき。
  • 吐いていて水分を飲めないとき。
  • 立ち上がったときふらつきがある、尿が出ない、小さいお子さんの場合泣いているのに涙が出ないなど、脱水の症状があるとき。
  • ひきつけを起こしているとき。
  • いつもよりボーっとしている、意識がおかしいとき。
  • いったんよくなった後でまた悪化した場合。(細菌感染を起こしている可能性があります)

薬をしっかり、決められた期間のみましょう。

抗インフルエンザ薬タミフルや吸入薬リレンザなどは5日間完全にのみきるまたは吸入してください。イナビル(吸入)やラピアクタ(点滴)は1回のみの投与で5日間有効です。また、子供または若者(特に20歳以下)に異常行動の報告があり、なるべく一人にしないなどの注意が必要です。

解熱鎮痛薬はアセトアミノフェン(カロナール、アルピニー坐薬)など、医師から処方されたものを使用しましょう。

当院では、機械を用いた測定法で、できるかぎり早く診断できるように対応しています。