褥瘡(床ずれ)

褥瘡(床ずれ)の治療あきらめていませんか?

褥瘡はできてしまったら、治るのに長くかかる、在宅では治らない、専門の施設で植皮などの治療が必要とあきらめていませんか?実は、時間がかかっても、感染(膿や発熱など)や骨への影響(骨髄炎や骨折など)が合併しなければ、治る可能性が十分あります。難治性(治りにくい状況)になったとしても、患者さまの苦痛を減らしたり、ご家族・介助者の負担を減らせる方法はあります。

当院では、褥瘡(床ずれ)の治療に、ご家族でも誰でもできる「湿潤療法(うるおい療法)」を積極的に取り入れ、時には専門家としての外科的な処置もお手伝いして、患者さまの満足度の向上のために往診・訪問診療なども行っております。その「湿潤療法(うるおい療法)」の特徴は、簡便で痛みが少なく、体に優しい治療であることで、その効果は治りが速く、きれいに治ること、費用がかからないことと言われています。

褥瘡(床ずれ)は予防が大切であることは知っていますか?

実は、褥瘡(床ずれ)の最高の治療は予防です。
当たり前ですが、褥瘡(床ずれ)にならなければ、患者さまの苦痛はありません。
そのためには、患者さまの褥瘡(床ずれ)ができる危険因子(リスクと言います)を、正確に判定して、そのリスクにあった対応を予防的に行っていく必要があります。

褥瘡(床ずれ)は、固いベッドに長い間で寝ていてできてしまうことは確かに多いのですが、ちょっとした患者さまの体勢や皮膚のねじれ、患者さまの体の変形やむくみなどもリスクとされています。
これらに対しては、専用の褥瘡予防ベッド(体圧分散マットレスと言います)だけでなく、いろいろな工夫と対策が有効です。
当院では、褥瘡(床ずれ)の予防についても医学的エビデンス(証拠)をもとに、いろいろな職種との連携を含めて積極的に取り組んでいます。

褥瘡の予防・治療どちらにも栄養療法は有効!

栄養療法によって患者さまの栄養状態の改善が、褥瘡(床ずれ)の予防・治療に非常に有効なことは、先ほどの医学的エビデンスや世界のガイドラインで証明されています。

当院でも、褥瘡(床ずれ)の予防・治療において、栄養療法の重要性・有用性を証明してきた経験から、褥瘡(床ずれ)のある患者さまには栄養評価とともに積極的に栄養療法をご提案いたします。単なる栄養量のアップにとどまらず、栄養素のご提案など患者さまの病態・状態に応じたオーダーメイドの栄養管理が予想以上の効果をもたらします。

最後に

当院では、褥瘡(床ずれ)のある患者さまの治療においては、常に自分の家族として最善の治療・予防、そして無理なく継続できる体制を重視しています。いろいろな患者さまを診させていただいて言えることは、「患者さまに愛情をもって、常に苦しくないか、つらくないかを考えてあげること」で治療方針は決まってきます。そして、「もっといい方法がないか、患者さまが楽になる方法がないか、工夫すること」で、「褥瘡はなくせるし、治る」と思っています。