2026年舌下免疫療法について

 当院では、即効性で眠気が少ないビラノア(R)や、鼻炎・かゆみなどの症状抑制に有効とされる抗血小板活性化因子(PAF)効果が追加されたルパフィン(R)血液中の薬物濃度が安定していて効果が一定なアレサガテープ(R)も処方しています。鼻詰まりの強い方には、オノン(R)やシングレア(R)も併用可能です。従来の抗アレルギー薬で効果が不十分な方は、一度薬剤の変更などもご検討ください。また、目薬が苦手な方は、寝る前にまぶたに1回のみ塗布するアレジオン(R)眼瞼クリームもあります。漢方薬(小青竜湯など)の併用も有効な場合が多いです。鼻の吸入薬や目薬も各種相談に応じて処方しています。

 さらに当院では、スギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)やダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が可能です。舌下免疫療法とは、アレルゲンと呼ばれるアレルギーの原因を含む治療薬を服用してアレルギーを治療することで、注射の痛みがなく、自宅で可能な治療法です。どちらも個人差はあるようですが、約70~80%に効果が認められ(治る可能性は20%くらい)、アナフィラキシー(血圧低下や呼吸困難など)とよばれる重篤な副作用は極めて少ないと言われています。ただし、口のかゆみやはれ、不快感など軽度のものが認められることはあります。効果は、鼻炎だけでなく、眼やのどの症状にも有効で、他のアレルギー治療薬を減らせる効果が期待できます。ただし、現在のところ、スギ花粉症、ダニ(ハウスダストも可能性あり)によるアレルギー性鼻炎のみしか薬がなく、他のアレルギーには無効です。気管支喘息に関しては、保険適応ではありません。

 内服は1日1回で、5歳から65歳までの方が投与可能です。ステロイド剤の内服以外は、他のお薬と併用可能です。最低2年間内服して、3~5年内服継続し、効果が安定していれば、一旦終了する治療です。そして、また症状再燃あれば再開することになります。この治療は、内服してすぐに効果がでるものではないので、効果が期待できるのに3ヶ月以上かかると言われているので、スギ花粉症の治療であれば10月までに開始することをおすすめしています(スギ花粉症の場合、飛散時期には開始しない方がいいと言われているので、1月から5月の間はおすすめしません。また、早ければ早く始めた方が有効なようなので6月からがおすすめです)。ダニについては、特におすすめの期日はありませんが、花粉症のシーズンは避けることをおすすめしています。最初の1か月は、副作用の確認のため、1~2週間ごとに通院していただきますが、2か月目以降安定すれば1か月に1回の通院で可能です。

 実際に治療を開始する際には、身体診察にアレルギーなどの問診にくわえて、鼻の診察、採血によるアレルゲンの確認を行い、投薬可能かどうか判定させていただきます。1回の診察ですみますが、結果判明まで約1~2週間かかります。初回投与は、安全のために院内で行い、30分ほど院内で経過を診させていただきます。以下に、治療のおすすめの方をあげさせていただきます。

  • スギ花粉症やダニアレルギーが採血などで確定している。
  • アレルギーの症状が強く、薬の効果が少ない。
  • アレルギーの薬の副作用(眠気や口の渇き、倦怠感など)がつらい。
  • 受験や妊娠などのイベントが数年以内に予定されている(ただし、妊娠中の内服については医師の判断になるため、治療終了時の妊娠が安全です)。
  • アレルギーの症状や薬の副作用が差し支える職種である。

逆に、治療について注意が必要な方は、

  • アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こしたことがある方
  • 安定していない気管支喘息
  • 重篤な心疾患、肺疾患のある方
  • ステロイドや免疫抑制剤をのんでいる、がんなどの治療中の方
  • 口の中に傷がある、口内炎などの口の中に炎症がある方
  • 妊娠、授乳中の方
  • 12歳未満、65歳超の方

治療のご相談は、当院までお願いいたします。

参考:もっと知りたいアレルゲン免疫療法

帯状疱疹ワクチンについて(2025.11.23更新)

 令和7年4月1日から帯状疱疹ワクチンが65歳以上の方に接種できるようになりました。従来、名古屋市では満50歳以上の名古屋市に住民登録のある方には、生涯に1回接種補助を施行してきました(組み換えワクチンは2回1セット)。この制度は残っていますので、今までに帯状疱疹ワクチンの接種に関して助成を受けたことのない方は、1回接種が助成を受けて可能です。

 最新の知見では、GSK(本社:英国)は、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス(遺伝子組換え帯状疱疹ワクチン)」の初回ワクチン接種後最長約11年間追跡調査したZOSTER-049試験(非盲検長期追跡調査試験)において、良好な結果が得られたことを発表しました。本最終データから、50歳以上の成人において、シングリックスが帯状疱疹に対する10年以上の予防効果をもつことが明らかになりました。本データは、スペインのバルセロナで開催される欧州臨床微生物感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases:ESCMID、旧ECCMID、2024年4月27~30日)で発表されました。

  50歳以上を対象とした2つの第III相臨床試験(ZOE-50試験とZOE-70試験)の延長試験であるZOSTER-049試験から次の結果が得られました。

  70歳以上における接種後6~11年の有効性は73.1%(95%CI 62.9~80.9)で、50歳以上の全年齢群において有効性が示された

  50歳以上における接種後6~11年の有効性は79.7%(95%CI 73.7~84.6)であった

  50歳以上における接種後11年目の有効性は82.0%(95%CI 63.0-92.2)で、接種後各年においても有効性が示された

 さらに、2025年になって科学雑誌「Nature」などに掲載された帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果(認知症のリスクが20%くらい低下する)の可能性があり、生ワクチンの接種で証明されていますが、組み換えワクチンはさらに効果があるとの報告もあります。これらについては、追加検討待ちですが、重要な知見と考えます。

ただし、生ワクチンを5-7年ごとに追加接種していく方法もコスト的にも実績的にも有用な可能性もありますので、年齢や基礎疾患ごとに対応相談させていただきます。

価格は以下のようになります。それぞれ、利点欠点がありますので、詳細はスタッフにお問い合わせください。

帯状疱疹とは

 多くの人は子供の時に感染する水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で、体の片側(最初は必ず体の左右どちらか片側)の一部にピリピリした痛みがあり、徐々にその部分に一致して赤い水ぶくれ(水泡)を伴う発疹ができる病気です。皮膚の神経に沿って発症する特徴的な発疹ですぐにわかると言われていますが、発疹が出にくい場合もあります。発症からなるべく早く抗ウイルス薬を投与しないと治りが悪なると言われており、発症3日以内のできるだけ早くから治療を開始することが良いとされています。一般的には3—4週間で治癒しますが、もし、治療がうまくいかないと、痛みがどんどん悪化して数ヶ月以上治らない、神経痛が残る、発疹が全身に広がり治らないなどの後遺症が残ります。  日本人の成人90%以上は、このウイルスが体内に潜伏していて、病気などで免疫力が低下した時や無理をして体力が低下した、ストレス過多などの時に発症することが多いとされています。特に、50歳代から急激に発症する割合が高くなり、帯状疱疹患者の70%が50歳以上で、80歳までに全ての高齢者の3人に1人が発症するとされているよくある病気です。

帯状疱疹ワクチン


 帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)、組換えワクチン(GSK 社:シングリックス)の2種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。

ビケン(生ワクチン)

1回接種 自費8400円  50歳以上名古屋市補助 4200円
50歳以上で1回接種し、5〜7年後に再接種が推奨(ただし、補助は1回のみ)

シングリックス(組み換えワクチン)

2回接種 自費21600円×2  50歳以上名古屋市補助 10800円×2 
50歳以上で2回接種(2ヶ月間隔)追加接種不要(2025年時点) 

 「厚生労働省 帯状疱疹ワクチン」 より引用

2025-2026年定期新型コロナウイルス感染症予防接種について(2025.9.30)

 上記について、当院では2025年10月15日(火)より、65歳以上の高齢者患者さんを対象に開始いたします。

実施期間:2025年10月15日(水)〜2026年2月28日(土)予定変更の場合あり

使用ワクチン:コミナティ(R)ファイザー社

摂取回数:期間内に1回

自己負担金:7700円

対象者:名古屋市在住の接種時点で65歳以上又は接種時点で60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・HIVなどの免疫機能障害のある方(身体障害者手帳1級相当)

* 今回は国からの配給ではないので、予約が必要です。予約のキャンセルは前日までにお願いします。

* インフルエンザと同時接種も可能ですが、これまでのワクチンの接種状況で決定させていただきますが、現在、新型コロナワクチンに関する情報ががあまりにも不足しているため、当院としてはインフルエンザワクチンの接種をまずお勧めしています。ご相談ください。

                         院長

当院の皮膚科疾患の取り組み 2025.07.12

当院は、内科外科の医師が皮膚病を診ることには、いくつかの重要なメリットがあると考えています。

1. 全身疾患との関連を考慮できます。 - 皮膚症状は、しばしば内科的疾患の一部として現れます。

  血液疾患(貧血、紫斑病など) → スプーン爪、皮下出血

  肝疾患 → 黄疸、手掌紅斑、くも状血管腫、女性化乳房

  膵疾患(急性膵炎など) → 特徴的皮下出血

  腎疾患 → 皮膚の乾燥やかゆみ、色素沈着、浮腫

  肺疾患(COPDなど) → 太鼓バチ指、チアノーゼ

  自己免疫疾患・膠原病(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、リウマチなど)→ 特徴的な皮膚所見

  ホルモン異常(クッシング症候群、アジソン病など) → 特徴的な皮膚所見

  • 内科医は、主な症状と採血結果に加えてこれらの皮膚の症状から内科疾患を疑い、より包括的な診断が可能です。

2. 処方した薬剤のアレルギーを常に念頭に置いています。 ― 内科で処方される多くの薬は、発疹やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

  例:抗菌薬、鎮痛剤、抗てんかん薬、造影剤など

  • 内科医は処方歴をもとに薬疹を早期に疑い、対応します。

3. 慢性疾患の一環として皮膚症状を管理しています。 ― アトピー性皮膚炎や乾癬などは、生活習慣病やメタボリックシンドロームとの関連もあり、高血圧、脂質異常症、糖尿病と皮膚症状をトータルでマネジメントしています。

4. 初期対応やトリアージが可能 ― 皮膚症状の中には緊急性があるもの(壊死性筋膜炎、スチーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症など)もあります。さらには、

帯状疱疹など早期から治療を開始しないと、抗ウイルス薬がきかなくなる疾患もあります。

  • 内科医が皮膚症状を見慣れていれば、重症例の早期発見・迅速な専門医への紹介が可能です。

5. どこの科に受診するか迷ったら ― 当院では、簡単な皮膚症状も積極的に診させていただき、必要あれば軟膏処置や、水イボ、巻き爪などの処置も行なっています。もちろん、難治性の皮膚病はすぐに専門医に紹介していますので、小児科、内科、皮膚科、外科など、どこの科に受診するか迷ったらご相談ください。

  • 簡単な切開、排膿、培養検査、生検などもご希望があれば行っています。

妊婦さん用のRSウイルスワクチン(アブリスボ®)について 2025.07.06

 RSウイルスは世界中に広く分布しており、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%がRSウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルス感染症によるとされています。症状は感冒様症状から下気道感染に至るまで様々ですが、特に生後6か月未満で感染すると重症化することが示されています。また、合併症として無呼吸、急性脳症などがあり、後遺症として反復性喘鳴(気管支喘息)があります。日本では、毎年約12万~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、約4分の1(約3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません(重篤な基礎疾患のある新生児、乳幼児には、モノクローナル抗体療法による予防が可能)。RSウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない場合も多く(基礎疾患のない正期産児等)、また、月齢別の入院発生数は、生後1~2か月時点でピークとなるため、生後早期から予防策が必要とされています。

 RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®)の機序は母子免疫であり、妊婦に接種することにより母体のRSウイルスに対する中和抗体価を高め、胎盤を通じて母体から胎児へ中和抗体が移行することで、乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患(肺炎、気管支炎など)を予防します。今回市販直後調査の第2回結果を受けて、基本的には産科で接種可能ですが、当院でも希望があれば接種可能になりました。適応症は、“妊婦への能動免疫による新生児および乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防”で、妊娠24~36週の妊婦(当院ではより有効性が高いとされる28~32週をお勧めしていますが、接種後2週間以内の早産の場合には赤ちゃんに十分な免疫が得られるか不明とされています)に1回0.5mLを筋肉内に接種をお勧めしています。妊娠高血圧症候群の方は産科と相談が必要ですが、特に、乳幼児のご兄弟がいるご家庭はご検討いただきたいと考えます。 院長

一般事業主行動計画について(2025.06.01)

モデル計画:出産をきっかけに退職する女性スタッフがないように、出産前後の支援を強化したい診療所

たけうちファミリークリニック行動計画

スタッフが仕事と子育てを両立させることができ、すべてのスタッフがその能力を十分に発揮できるようにする。そのために、スタッフの働き方を見直し、特に女性スタッフの継続就業者が増えるよう、妊娠・出産・復職時における支援に取り組むため、次のように行動計画を策定する。

1.計画期間 2025 年 4 月 1 日~ 2028 年 3 月 31 日までの3年間

2.内容

目標1:計画期間内に、育児休業の取得率を次の水準以上とする。男性スタッフ・・・取得率50%以上女性スタッフ・・・取得率80%以上

<対策>

 ●  2025 年 4月~ 各職場における休業者の業務カバー体制の検討(代替要員の確保、業務体制の見直し、業務の再分担など)

 ●  2025 年 4月~ 育児復帰支援プランの公示

 ●  2025 年 5月~ 業務カバー体制の実施

目標2:育児休業を取得予定のスタッフ及び育児休業から復職したスタッフに対するメンター制度を導入する。

<対策>

 ●  2025 年 4月~ 育休取得に関する全スタッフに対する聞き取り実施、検討

 ●  2025  年  4月~  運用ルールの検討、メンター選定

 ●     2025  年  5月~  メンター研修の実施

 ●     2025  年  6月~  制度導入、社員への周知

目標3:子育て費用の助成制度を導入する。

<対策>

 ●  2025 年 4月~ スタッフのニーズの確認、検討開始

 ●     2025 年 6月~ 制度導入準備

 ●  2025 年 8月~ 制度申請

6月からスギ花粉症舌下免疫療法(シダアキュア(R))の新規の方の治療を開始します(2025.05.29)

当院では、舌下免疫療法(スギ花粉症→シダキュア(R)、ダニアレルギー→ミティキュア(R))が可能です。

採血にてアレルギー検査を行い、鼻炎の所見と合わせて治療を開始します。5歳以上の方を対象としています。花粉症・通年性アレルギーの症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

汗の季節になりました(多汗症のお薬について) 2025.05.22

汗の季節になりました。多汗症と言って、全身、特に顔面に多量の汗がでる全身性多汗症や、手のひら(手掌多汗症)や両脇(腋窩多汗症)に限局して多量の汗がでて、腋臭や感染に悩んでいませんか?当院では、これらの原因を調べて、その原因に応じて内科的治療(内服薬、外用薬、漢方薬)をご提案しています。是非、一度ご相談ください。

当院におけるカスタマーハラスメント対応について(2024.11.12)

カスタマーハラスメントとは

患者さん等からの妥当性のない要求や社会通念上相当ではないような言動で、具体的には次のような行為を指します。

・大声、暴言または脅迫的な言動やセクシャルハラスメント等により、他の病院利用者に迷惑を及ぼす、あるいは当院職員の業務を妨げること

・病院利用者、当院職員に対する暴力行為など

・無理な要求を繰り返し行う、長時間(30分以上)の電話や対応により、当院職員の業務を妨げること

・言われのない謝罪や謝罪文の強要、土下座の強要など

・無許可での病院内の撮影や録画・録音を行うこと

・当院職員の指示に従わない行為正当な理由のない状態での不退去(病院内の居座り)、建物設備等を故意に破損する等の行為

・当院職員の指示に従わない行為

・当院の職員に対する一方的なインターネットおよびSNS上での批判、誹謗、中傷など

・その他、当院が医療に支障を来す迷惑行為と認めたもの

カスタマーハラスメントへの対応方針

 当院ではカスタマーハラスメントに該当すると認められた場合、院長の判断のもとに、対面や電話等での対応を中断するほか、安心・安全な医療の提供を継続するため院外退去(強制退院を含む)を命じます。また、応じていただけない場合や被害を受ける恐れがある場合には警察に介入を依頼します。さらに、当院と患者さん等の間で診療を継続していくための信頼関係が破綻していると当院が判断した場合は新たな診療には応じられません。インターネット上で当院職員に関する言われなき誹謗中傷を確認した場合も法的対応を取らせていただきます。

以上、患者さんのご理解とご協力のもとに、信頼できる医療環境の構築に邁進していきますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

   2024年11月12日  たけうちファミリークリニック 院長

胃内視鏡検査の中止について

当院では、胃内視鏡検査は施行しておりませんので、ご了承ください。