帯状疱疹ワクチンについて(2025.06.14)
令和7年4月1日から帯状疱疹ワクチンが65歳以上の方に接種できるようになりました。従来、名古屋市では満50歳以上の名古屋市に住民登録のある方には、生涯に1回接種補助を施行してきました(組み換えワクチンは2回1セット)。この制度は残っていますので、今までに帯状疱疹ワクチンの接種に関して助成を受けたことのない方は、1回接種が助成を受けて可能です。
当院では、基本的に70歳以上で健康な方は5年ごとに接種が推奨される生ワクチン2-3回を、70歳未満の方は10年以上効果(2025年時点)が持続する組み換えワクチン接種1回を推奨しています。価格は以下のようになります。それぞれ、利点欠点がありますので、詳細はスタッフにお問い合わせください。
帯状疱疹とは
多くの人は子供の時に感染する水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で、体の片側(最初は必ず体の左右どちらか片側)の一部にピリピリした痛みがあり、徐々にその部分に一致して赤い水ぶくれ(水泡)を伴う発疹ができる病気です。皮膚の神経に沿って発症する特徴的な発疹ですぐにわかると言われていますが、発疹が出にくい場合もあります。発症からなるべく早く抗ウイルス薬を投与しないと治りが悪なると言われており、発症3日以内のできるだけ早くから治療を開始することが良いとされています。一般的には3—4週間で治癒しますが、もし、治療がうまくいかないと、痛みがどんどん悪化して数ヶ月以上治らない、神経痛が残る、発疹が全身に広がり治らないなどの後遺症が残ります。 日本人の成人90%以上は、このウイルスが体内に潜伏していて、病気などで免疫力が低下した時や無理をして体力が低下した、ストレス過多などの時に発症することが多いとされています。特に、50歳代から急激に発症する割合が高くなり、帯状疱疹患者の70%が50歳以上で、80歳までに全ての高齢者の3人に1人が発症するとされているよくある病気です。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)、組換えワクチン(GSK 社:シングリックス)の2種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。

ビケン(生ワクチン)
1回接種 自費8400円 50歳以上名古屋市補助 4200円
50歳以上で1回接種し、5〜7年後に再接種が推奨(ただし、補助は1回のみ)
シングリックス(組み換えワクチン)
2回接種 自費21600円×2 50歳以上名古屋市補助 10800円×2
50歳以上で2回接種(2ヶ月間隔)追加接種不要(2025年時点)

「厚生労働省 帯状疱疹ワクチン」 より引用
熱中症の予防と応急処置(2025.06.12)
≪熱中症の予防と応急処置≫
熱中症は、暑い環境下、あるいは、運動などによって体の中でたくさん熱を作るような状況にあった人に発症し、以下のような様々な症状が出現します。
【軽症】(一般に体温が38℃未満)
立ちくらみ。こむら返り(四肢の一部のけいれん)。皮膚がじっとり。
【中等症】(一般に体温が38℃以上)
頭痛(頭重感)、吐き気、嘔吐、のどが非常に渇く。不安、しびれ。
【重症】(一般に体温が40℃以上)
意識喪失(1-2分以上)、意識障害(おかしな言動や行動)、全身痙攣、手足の運動障害、呼吸数増加。
●水分補給について
・ 汗をかくと、水分と塩分が体から失われます。これらを最も適切に補給できるのは、スポーツドリンクです。野菜ジュースや糖分を多く含んだジュースなどは水分が吸収されにくく、また、お茶やミネラルウォーターでは、塩分が補給できません。
・ ただし、スポーツドリンクでも、実際には塩分量が十分ではありませんので、発汗の著しい場合は、食塩や塩飴をなめたり、塩分を強化したドリンク(OS-1、オーエスワン) を、飲まれることをお勧めします。ゼリータイプもあります。
●暑い環境下に長時間いる際の注意
・ のどが渇いたと感じる前に飲む。(のどが渇いたと感じた時、すでに軽い脱水は始まっています。ただし、マスクをしているとのどの渇きがわかりにくくなっています。)
・ 定期的な水分補給をする。(15分~30分に1回、1口~200mlの量)
・ 運動や仕事の30分程度前に、あらかじめ水分補給をしておく。(250~500ml程度)
- マスクは屋外で人と2m以上離れているときは、外す。
●現場での応急処置
① 風通しのよい日陰に避難し、できればクーラーのついた室内へ移動し、安静にします。
② スポーツドリンクで水分補給をします。
③ 衣服を脱がせて、皮膚にぬるま湯をかけて、うちわや扇風機などで風を送ります。水分が蒸発する際に体から熱が奪われる作用を利用して体を冷やします。
④ 氷のうがあれば、それを首、脇の下、大腿部の付け根にあてて冷やします。
⑤ ふくらはぎや腹部の筋肉の痙攣がある際には、冷水タオルをつけて、震えているところへマッサージを行ないます。
以上でも、症状が改善しない、または悪化するようなら、病院にいきましょう。
たけうちファミリークリニック 052-752-1780
厚生労働省 高齢者のための熱中症対策(熱中症予防のための情報・資料サイトより)
帯状疱疹にかかったら、家庭内で気を付けること(2025.06.12)
帯状疱疹にかかったら、家庭内で気をつけることは…
帯状疱疹は、水痘ウイルスが再活性化することで引き起こされるウイルス感染症です。水痘(水ぼうそう)と同じウイルスですが、口唇や性器ヘルペスとは違うウイルスです。
初めてこのウイルスに感染すると水痘(水ぼうそう)を発症しますが、治った後も体内に残り、体力や免疫力の低下などによってウイルスが再び活性化されて発症します。
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)や帯状疱疹にかかったことがある方にはうつりません。ただし、確実にかかったかどうかわからない、ワクチンを2回接種したか不明な方にはうつってしまう可能性があるので、以下の注意が必要です。
*直接接触を避ける:帯状疱疹の発疹部位は非常に感染力が高いため、直接触れることは避けるようにしましょう。特に水疱(水ぶくれ)の内容液や傷になっているところをさわるとより感染しやすくなります。発疹を触った手で、自分の他の部位を触ったり、引っ掻いたりすると「とびひ」することがあります。
*衛生管理に注意する:帯状疱疹にかかった人の用具や衣服は定期的に洗濯し、清潔に保ちましょう。また、手洗いを頻繁に行うことも重要です。
*免疫力を高める:免疫力が低下すると、帯状疱疹のリスクが高まります。食生活や睡眠、運動を適度に行い、健康的なライフスタイルを維持することが大切です。予防接種も非常に有効な予防手段です。現在は、50歳以上の方は名古屋市から補助が出ますので、病院にご相談ください。
*医師の指示に従う:帯状疱疹にかかった人は、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。また、発疹が痛みを伴う場合は、鎮痛剤を処方されることがありますので、適切に服用するようにしてください。さらに、発疹が治っても痛みが続くこともあり、治ってもすぐに再発することもあり、注意が必要です。
Q1. タオルとかの使用は大丈夫?
帯状疱疹にかかった人が使用したタオルや衣服などは、帯状疱疹のウイルスが付着している可能性があるため、他の人と共有することは避けるようにしましょう。特に、タオルは帯状疱疹の発疹部位に触れることがあるため、個人用のタオルを使用することが望ましいです。また、帯状疱疹にかかった人が使用した衣服や寝具類も、定期的に洗濯することでウイルスの除去ができます。帯状疱疹のウイルスは、高温での洗濯や乾燥機での乾燥に弱いため、これらの方法で洗濯することが効果的です。
Q2. お風呂は大丈夫?
お風呂については、帯状疱疹にかかった人が入浴することは問題ありません。しかし帯状疱疹の発疹部位は非常に感染力が高いため、帯状疱疹にかかった人がお風呂に入る場合は、浴槽やシャワーなどの共有部分に触れることがないように注意しましょう。可能であれば、最後に入浴するようにし、帯状疱疹にかかった人が入浴した後には、浴槽やシャワーなどをしっかり清掃することが望ましいです。
Q3. 消毒方法は?
*消毒剤: 市販されている消毒剤を使用する方法があります。一般的には、塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)が効果的です。消毒剤の使用にあたっては、必ず取扱説明書に従って正しい方法で行ってください。
*アルコール:アルコール(エタノール)を使用する方法もあり、アルコールには殺菌殺ウイルス効果があります。注意点としては、アルコールが乾燥するまで待つ必要があることです。
*手指や肌にウイルスが付着した可能性がある場合には、石鹸による水道洗浄をしっかり行えば大丈夫ですが、アルコール塗布も追加しておけばさらに有効です。
*熱水消毒:80℃の熱水に約10分間衣類などをひたすことによってウイルスを殺すことも可能です。
Q4. 子供には近づかない
まだ水痘(水ぼうそう)ワクチンを接種していない、または接種が完了していない(1歳半から2歳以下)幼児または成人は、感染すると水痘(水ぼうそう)を発症する可能性があり、接触は控えてください。
たけうちファミリークリニック 052-752-1780
6月からスギ花粉症舌下免疫療法(シダアキュア(R))の新規の方の治療を開始します(2025.05.29)
当院では、舌下免疫療法(スギ花粉症→シダキュア(R)、ダニアレルギー→ミティキュア(R))が可能です。
採血にてアレルギー検査を行い、鼻炎の所見と合わせて治療を開始します。5歳以上の方を対象としています。花粉症・通年性アレルギーの症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
汗の季節になりました(多汗症のお薬について) 2025.05.22
汗の季節になりました。多汗症と言って、全身、特に顔面に多量の汗がでる全身性多汗症や、手のひら(手掌多汗症)や両脇(腋窩多汗症)に限局して多量の汗がでて、腋臭や感染に悩んでいませんか?当院では、これらの原因を調べて、その原因に応じて内科的治療(内服薬、外用薬、漢方薬)をご提案しています。是非、一度ご相談ください。
2025年4月からの診療体制(2025.05.07)
2025年4月1日より、応援医師(女性医師)の協力のもとに、当院は平日診療は2診体制になりました(実際には、2024年9月から不定期でお願いしていた女性医師です)。元来、土曜日は別の応援医師とともに2診体制でした。
このことにより、女性医師希望の方(婦人病、育児相談、発育相談など)の対応が平日毎日可能となりました。院長もがん相談、セカンドオピニオン外来、栄養相談なども余裕をもって可能になりましたので、皆様のさらにお役に立てると思います。是非、ご利用ください。
当院におけるカスタマーハラスメント対応について(2024.11.12)
カスタマーハラスメントとは
患者さん等からの妥当性のない要求や社会通念上相当ではないような言動で、具体的には次のような行為を指します。
・大声、暴言または脅迫的な言動やセクシャルハラスメント等により、他の病院利用者に迷惑を及ぼす、あるいは当院職員の業務を妨げること
・病院利用者、当院職員に対する暴力行為など
・無理な要求を繰り返し行う、長時間(30分以上)の電話や対応により、当院職員の業務を妨げること
・言われのない謝罪や謝罪文の強要、土下座の強要など
・無許可での病院内の撮影や録画・録音を行うこと
・当院職員の指示に従わない行為正当な理由のない状態での不退去(病院内の居座り)、建物設備等を故意に破損する等の行為
・当院職員の指示に従わない行為
・当院の職員に対する一方的なインターネットおよびSNS上での批判、誹謗、中傷など
・その他、当院が医療に支障を来す迷惑行為と認めたもの
カスタマーハラスメントへの対応方針
当院ではカスタマーハラスメントに該当すると認められた場合、院長の判断のもとに、対面や電話等での対応を中断するほか、安心・安全な医療の提供を継続するため院外退去(強制退院を含む)を命じます。また、応じていただけない場合や被害を受ける恐れがある場合には警察に介入を依頼します。さらに、当院と患者さん等の間で診療を継続していくための信頼関係が破綻していると当院が判断した場合は新たな診療には応じられません。インターネット上で当院職員に関する言われなき誹謗中傷を確認した場合も法的対応を取らせていただきます。
以上、患者さんのご理解とご協力のもとに、信頼できる医療環境の構築に邁進していきますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
2024年11月12日 たけうちファミリークリニック 院長
目のかゆみ、アレルギーに1日1回まぶたに塗るクリーム(アレジオン眼瞼クリーム)2024.05.31
持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン®眼瞼クリーム 0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩、以下アレジオン®クリーム)
世界で初めての 1 日 1 回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤として処方可能になりました。従来より抗アレルギー薬として、内服だけでなくアレルギー性結膜炎の治療として点眼薬でも使用されていたアレジオンが、アレジオンクリームとして1 日 1 回上下の眼瞼に指で直接触れながら塗布することで、アレルギー性結膜炎に対する治療効果を発揮するものです。目のかゆみが強く何度も点眼薬を使用していた方や、点眼の苦手なお子様にも安全に使用できます。処方希望の方は当院までご相談ください。
当院の発熱患者さんへの対応について(2024年4月1日以降)
1. 37.5度以上の発熱がある方(罹病期間内に1回でも37.5度以上の発熱があった方も含む)、咳・痰がひどい方、症状経過が4日以上の方、新型コロナウイルスやインフルエンザの可能性のある方は、受診前にあらかじめお電話で受診予約をお願いいたします。上記の方で、直接来院された方は、院内に直接入らず入口前でお電話してください。厚生労働省のマスク着用基準にのっとって、当院では発熱や風邪症状のない方も(患者付き添い、ご家族も)、院内ではマスクの着用をお願いしています。必ず着用して受診するようご協力をお願い申し上げます。マスクを嫌がる小さなお子さんは、可能であればマスクの代用になる方法で対応をお願いいたします。
2. 診察、投薬などをふくめて新型コロナウイルスはほぼ全てが保険対応になりますので自己負担分がかかります。また、新型コロナウイルスの治療薬は、基礎疾患があるまたは症状の比較的強い中等症以上の方に処方するパキロビット、軽症患者に処方できるゾコーバは処方可能ですが、自己負担分の補助は無くなりました。コロナ陽性患者さんの自宅隔離期間が5日間に短縮されましたが、発症2日前から発症翌日より10日間は感染させる可能性があるとされていますので、病院受診はあらかじめお電話いただき、医師に確認を取って受診してください。濃厚接触者(マスクなしで15分以上接触または同居者)の行動制限はなくなりましたが、濃厚接触の可能性のある方も必ず受診時にお申し出ください。
3. コロナ感染後の後遺症については、当院では後遺症外来は行っておりませんので、かかりつけ以外の方は名古屋市の後遺症相談窓口052-954-6618、または相談医療機関にご相談ください。
基本的には、当院では可能な限り患者のみなさまが安心して受診していただけるように最大限の努力をさせていただいています。発熱患者さんと非発熱患者さんがなるべく交わらないように、入り口を別にして診察室も別にして、対応スタッフも分担しています。待合でも念のため、ソーシャルディスタンスが確保できるようにしています。また、安心して予防接種も受けれます。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒事前連絡と正確な情報提供を宜しくお願い申し上げます。
院長
2024年4月からのワクチン変更について(2024.03.26)
上記の件について、以下の変更があります。
1.小児肺炎球菌ワクチンがプレベナー(13価)からバクニュバンス(15価)に完全切り替えになります。2価増えたということは、2種類の肺炎球菌に有効性が増えたことになり、安全性・有効性にも問題ありません。これまでプレベナーを接種したお子さんでも、4月からはバクニュバンスに変更して差し支えないとのことなので、名古屋市は完全切り替えになります。予約時にご確認ください。
2.新生児2ヶ月から4回接種していた4種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)にインフルエンザ菌b型のワクチンを加えた5種混合ワクチンの接種も可能になります。基本的には、同じワクチン成分ですが、これまで4種混合ワクチンを接種していたお子さんからの変更はできませんので、新しく接種をスタートした2ヶ月以降のお子さんが対象となります。こちらも有効性・安全性には問題なく、注射の回数が減るメリットもあり、当院でも積極的に接種していきます。
3.65歳以上の肺炎球菌ワクチンの定期接種は名古屋市の補助は継続になりました。当院でも積極的にお勧めしていますので、ご相談ください。現在は、ニューモバックス(23価)を接種した後に、プレベナー(13価)の接種を自費でお勧めしています。プレベナーの代わりにバクニュバンス(15価)の使用も可能ですが、現在ガイドライン等のエビデンスを検討中ですので、ご相談ください。
院長