2025-2026発熱・かぜシーズンの当院の対応について 2025.12.03
今年度の発熱・かぜシーズンの流行状況について
1. インフルエンザは例年より1カ月早くA型が流行し、昨年同様に猛威をふるっています。今年度の特徴は、インフルエンザH3型の変異株『サブクレードK』の流行で、厚生労働省のHPではその特徴をこれまでのウイルスと⽐較し、感染が拡⼤するスピードが早いものの、症状や重症度は従来の季節性インフルエンザと⼤きく変わらないものとされ、今年度の不活化インフルエンザHAワクチンにても有効性が保たれ、通常の抗インフルエンザウイルス薬が有効であるとされています。
当院での診療の印象は、10代以下の若年者に感染が多く、腹痛・嘔吐の症状も多いということです。また、ワクチン接種前にかかった人が多く、症状が5日以上長引く患者さんが一定数いらっしゃいます(通常は3-4日くらいで解熱し、症状改善)ので注意が必要です。また、せん妄や異常行動もあり、高熱が継続している1-2日は見守りが必要です。
当院の対応としては、抗ウイルス薬はなるべく早く(発熱後48時間以内)診断して投与が勧められており、積極的に抗原検査を行っています。鼻ぬぐい液(綿棒)検査が苦手な患者さんは、専用のティッシュの鼻水で検査可能です。
B型インフルエンザも発症し始めていますので、今年度一度インフルエンザにかかった方も、症状改善後1-2週間でワクチンの接種をすすめています。痛くない鼻ワクチンフルミストは終了していますのでご注意ください。
2.COVID-19(新型コロナウイルス)も感染者が一定数あり、決して終息はしていません。当院の現状では若年者にインフルエンザが多いのに対して、中・高年者に多い傾向がありますが、通常のかぜ症状で終わる患者さんがほとんどです。免疫低下が疑われる高齢患者さんには、抗ウイルス薬を積極的にお勧めしていますが、内服薬との相性がありますので、必ずお薬手帳をご提示お願いいたします。
3. マイコプラズマ肺炎、百日咳が疑われる患者さんも、今年度も大流行ではありませんがいらっしゃいます。特徴としては、高熱ではない発熱やしつこい咳が1週間以上長引くなどです。当院では、積極的に胸部X線を撮影し(抗原検査は正確性が不安定、遺伝子LAMP法は時間がかかるため)、気管支炎や肺炎が疑われる患者さんには適切な抗菌薬を処方しています。実際に、これまで適正とされていた抗菌薬にも耐性菌が報告されており、当院でもある一定数の患者さんは耐性菌でした。これらの知見をふまえて抗菌薬の選択には十分慎重に行っています。
4. 発熱患者さんや咳症状がひどい患者さんは、あらかじめお電話いただければ、発熱外来として予約させていただきますのでご協力おねがいいたします。
院長
帯状疱疹ワクチンについて(2025.11.23更新)
令和7年4月1日から帯状疱疹ワクチンが65歳以上の方に接種できるようになりました。従来、名古屋市では満50歳以上の名古屋市に住民登録のある方には、生涯に1回接種補助を施行してきました(組み換えワクチンは2回1セット)。この制度は残っていますので、今までに帯状疱疹ワクチンの接種に関して助成を受けたことのない方は、1回接種が助成を受けて可能です。
最新の知見では、GSK(本社:英国)は、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス(遺伝子組換え帯状疱疹ワクチン)」の初回ワクチン接種後最長約11年間追跡調査したZOSTER-049試験(非盲検長期追跡調査試験)において、良好な結果が得られたことを発表しました。本最終データから、50歳以上の成人において、シングリックスが帯状疱疹に対する10年以上の予防効果をもつことが明らかになりました。本データは、スペインのバルセロナで開催される欧州臨床微生物感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases:ESCMID、旧ECCMID、2024年4月27~30日)で発表されました。
50歳以上を対象とした2つの第III相臨床試験(ZOE-50試験とZOE-70試験)の延長試験であるZOSTER-049試験から次の結果が得られました。
70歳以上における接種後6~11年の有効性は73.1%(95%CI 62.9~80.9)で、50歳以上の全年齢群において有効性が示された。
50歳以上における接種後6~11年の有効性は79.7%(95%CI 73.7~84.6)であった。
50歳以上における接種後11年目の有効性は82.0%(95%CI 63.0-92.2)で、接種後各年においても有効性が示された。
さらに、2025年になって科学雑誌「Nature」などに掲載された帯状疱疹ワクチンの認知症予防効果(認知症のリスクが20%くらい低下する)の可能性があり、生ワクチンの接種で証明されていますが、組み換えワクチンはさらに効果があるとの報告もあります。これらについては、追加検討待ちですが、重要な知見と考えます。
当院では、以上のデータから、基本的に初回、2回目を問わずシングリックスの接種を年齢に関わらずおすすめしています。ただし、現時点では追加接種に関しては11年までしか成績がでておらず、15年、20年のデータ待ちですので、随時更新していきます。
ただし、生ワクチンを5-7年ごとに追加接種していく方法もコスト的にも実績的にも有用な可能性もありますので、年齢や基礎疾患ごとに対応相談させていただきます。
価格は以下のようになります。それぞれ、利点欠点がありますので、詳細はスタッフにお問い合わせください。
帯状疱疹とは
多くの人は子供の時に感染する水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で、体の片側(最初は必ず体の左右どちらか片側)の一部にピリピリした痛みがあり、徐々にその部分に一致して赤い水ぶくれ(水泡)を伴う発疹ができる病気です。皮膚の神経に沿って発症する特徴的な発疹ですぐにわかると言われていますが、発疹が出にくい場合もあります。発症からなるべく早く抗ウイルス薬を投与しないと治りが悪なると言われており、発症3日以内のできるだけ早くから治療を開始することが良いとされています。一般的には3—4週間で治癒しますが、もし、治療がうまくいかないと、痛みがどんどん悪化して数ヶ月以上治らない、神経痛が残る、発疹が全身に広がり治らないなどの後遺症が残ります。 日本人の成人90%以上は、このウイルスが体内に潜伏していて、病気などで免疫力が低下した時や無理をして体力が低下した、ストレス過多などの時に発症することが多いとされています。特に、50歳代から急激に発症する割合が高くなり、帯状疱疹患者の70%が50歳以上で、80歳までに全ての高齢者の3人に1人が発症するとされているよくある病気です。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)、組換えワクチン(GSK 社:シングリックス)の2種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。

ビケン(生ワクチン)
1回接種 自費8400円 50歳以上名古屋市補助 4200円
50歳以上で1回接種し、5〜7年後に再接種が推奨(ただし、補助は1回のみ)
シングリックス(組み換えワクチン)
2回接種 自費21600円×2 50歳以上名古屋市補助 10800円×2
50歳以上で2回接種(2ヶ月間隔)追加接種不要(2025年時点)

「厚生労働省 帯状疱疹ワクチン」 より引用
当院での医療DX推進体制整備ついて 2025年11月22日更新
当院は令和6年6月の診療報酬改定に伴う医療DX推進体制整備について以下のとおり対応を行っております。
(1)当院は、オンライン請求を行っております。
(2)当院は、資格確認を行う体制を有しております。
(3)当院は、医師が電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室、処置室等において、閲覧又は活用できる体制を有しております。
(4)当院は、電子処方箋を発行する体制について整備中です。
(5)当院は、電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制について整備中です。
(6)マイナンバーカードの健康保険証利用の使用について、実績を有しており、院内に相談窓口を設けています。
(7)医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所及びウェブサイト等に掲示いたします。
マイナンバーカードによる保険証利用により、診療情報を医療機関同士で連携できるよう、情報取得に同意いただけますようお願いしております。また、薬剤情報を取得することにより、同じ効果の薬剤を重複して処方しないよう防止することが可能になります。投薬内容から患者様の病態を適切に把握することができ、必要に応じて健康診断情報等も確認することによって、適切な医療に活用いたします。また、患者さんの状況に応じて必要があれば、リフィル処方などにも対応しています。
2025年11月22日 たけうちファミリークリニック 院長
小児お役立ち資料集に「インフルエンザ」を追加しました(2025.11.16)
2025-2026年定期新型コロナウイルス感染症予防接種について(2025.9.30)
上記について、当院では2025年10月15日(火)より、65歳以上の高齢者患者さんを対象に開始いたします。
実施期間:2025年10月15日(水)〜2026年2月28日(土)予定変更の場合あり
使用ワクチン:コミナティ(R)ファイザー社
摂取回数:期間内に1回
自己負担金:7700円
対象者:名古屋市在住の接種時点で65歳以上又は接種時点で60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・HIVなどの免疫機能障害のある方(身体障害者手帳1級相当)
* 今回は国からの配給ではないので、予約が必要です。予約のキャンセルは前日までにお願いします。
* インフルエンザと同時接種も可能ですが、これまでのワクチンの接種状況で決定させていただきますが、現在、新型コロナワクチンに関する情報ががあまりにも不足しているため、当院としてはインフルエンザワクチンの接種をまずお勧めしています。ご相談ください。
院長
当院の皮膚科疾患の取り組み 2025.07.12
当院は、内科外科の医師が皮膚病を診ることには、いくつかの重要なメリットがあると考えています。
1. 全身疾患との関連を考慮できます。 - 皮膚症状は、しばしば内科的疾患の一部として現れます。
血液疾患(貧血、紫斑病など) → スプーン爪、皮下出血
肝疾患 → 黄疸、手掌紅斑、くも状血管腫、女性化乳房
膵疾患(急性膵炎など) → 特徴的皮下出血
腎疾患 → 皮膚の乾燥やかゆみ、色素沈着、浮腫
肺疾患(COPDなど) → 太鼓バチ指、チアノーゼ
自己免疫疾患・膠原病(全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、リウマチなど)→ 特徴的な皮膚所見
ホルモン異常(クッシング症候群、アジソン病など) → 特徴的な皮膚所見
- 内科医は、主な症状と採血結果に加えてこれらの皮膚の症状から内科疾患を疑い、より包括的な診断が可能です。
2. 処方した薬剤のアレルギーを常に念頭に置いています。 ― 内科で処方される多くの薬は、発疹やアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
例:抗菌薬、鎮痛剤、抗てんかん薬、造影剤など
- 内科医は処方歴をもとに薬疹を早期に疑い、対応します。
3. 慢性疾患の一環として皮膚症状を管理しています。 ― アトピー性皮膚炎や乾癬などは、生活習慣病やメタボリックシンドロームとの関連もあり、高血圧、脂質異常症、糖尿病と皮膚症状をトータルでマネジメントしています。
4. 初期対応やトリアージが可能 ― 皮膚症状の中には緊急性があるもの(壊死性筋膜炎、スチーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症など)もあります。さらには、
帯状疱疹など早期から治療を開始しないと、抗ウイルス薬がきかなくなる疾患もあります。
- 内科医が皮膚症状を見慣れていれば、重症例の早期発見・迅速な専門医への紹介が可能です。
5. どこの科に受診するか迷ったら ― 当院では、簡単な皮膚症状も積極的に診させていただき、必要あれば軟膏処置や、水イボ、巻き爪などの処置も行なっています。もちろん、難治性の皮膚病はすぐに専門医に紹介していますので、小児科、内科、皮膚科、外科など、どこの科に受診するか迷ったらご相談ください。
- 簡単な切開、排膿、培養検査、生検などもご希望があれば行っています。
妊婦さん用のRSウイルスワクチン(アブリスボ®)について 2025.07.06
RSウイルスは世界中に広く分布しており、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%がRSウイルスに感染します。乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%がRSウイルス感染症によるとされています。症状は感冒様症状から下気道感染に至るまで様々ですが、特に生後6か月未満で感染すると重症化することが示されています。また、合併症として無呼吸、急性脳症などがあり、後遺症として反復性喘鳴(気管支喘息)があります。日本では、毎年約12万~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、約4分の1(約3万人)が入院を必要とすると推定されていますが、有効な治療薬はありません(重篤な基礎疾患のある新生児、乳幼児には、モノクローナル抗体療法による予防が可能)。RSウイルス感染による乳児の入院は、基礎疾患を持たない場合も多く(基礎疾患のない正期産児等)、また、月齢別の入院発生数は、生後1~2か月時点でピークとなるため、生後早期から予防策が必要とされています。
RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®)の機序は母子免疫であり、妊婦に接種することにより母体のRSウイルスに対する中和抗体価を高め、胎盤を通じて母体から胎児へ中和抗体が移行することで、乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患(肺炎、気管支炎など)を予防します。今回市販直後調査の第2回結果を受けて、基本的には産科で接種可能ですが、当院でも希望があれば接種可能になりました。適応症は、“妊婦への能動免疫による新生児および乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防”で、妊娠24~36週の妊婦(当院ではより有効性が高いとされる28~32週をお勧めしていますが、接種後2週間以内の早産の場合には赤ちゃんに十分な免疫が得られるか不明とされています)に1回0.5mLを筋肉内に接種をお勧めしています。妊娠高血圧症候群の方は産科と相談が必要ですが、特に、乳幼児のご兄弟がいるご家庭はご検討いただきたいと考えます。 院長
一般事業主行動計画について(2025.06.01)
モデル計画:出産をきっかけに退職する女性スタッフがないように、出産前後の支援を強化したい診療所
たけうちファミリークリニック行動計画
スタッフが仕事と子育てを両立させることができ、すべてのスタッフがその能力を十分に発揮できるようにする。そのために、スタッフの働き方を見直し、特に女性スタッフの継続就業者が増えるよう、妊娠・出産・復職時における支援に取り組むため、次のように行動計画を策定する。
1.計画期間 2025 年 4 月 1 日~ 2028 年 3 月 31 日までの3年間
2.内容
| 目標1:計画期間内に、育児休業の取得率を次の水準以上とする。男性スタッフ・・・取得率50%以上女性スタッフ・・・取得率80%以上 |
<対策>
● 2025 年 4月~ 各職場における休業者の業務カバー体制の検討(代替要員の確保、業務体制の見直し、業務の再分担など)
● 2025 年 4月~ 育児復帰支援プランの公示
● 2025 年 5月~ 業務カバー体制の実施
| 目標2:育児休業を取得予定のスタッフ及び育児休業から復職したスタッフに対するメンター制度を導入する。 |
<対策>
● 2025 年 4月~ 育休取得に関する全スタッフに対する聞き取り実施、検討
● 2025 年 4月~ 運用ルールの検討、メンター選定
● 2025 年 5月~ メンター研修の実施
● 2025 年 6月~ 制度導入、社員への周知
| 目標3:子育て費用の助成制度を導入する。 |
<対策>
● 2025 年 4月~ スタッフのニーズの確認、検討開始
● 2025 年 6月~ 制度導入準備
● 2025 年 8月~ 制度申請
6月からスギ花粉症舌下免疫療法(シダアキュア(R))の新規の方の治療を開始します(2025.05.29)
当院では、舌下免疫療法(スギ花粉症→シダキュア(R)、ダニアレルギー→ミティキュア(R))が可能です。
採血にてアレルギー検査を行い、鼻炎の所見と合わせて治療を開始します。5歳以上の方を対象としています。花粉症・通年性アレルギーの症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
汗の季節になりました(多汗症のお薬について) 2025.05.22
汗の季節になりました。多汗症と言って、全身、特に顔面に多量の汗がでる全身性多汗症や、手のひら(手掌多汗症)や両脇(腋窩多汗症)に限局して多量の汗がでて、腋臭や感染に悩んでいませんか?当院では、これらの原因を調べて、その原因に応じて内科的治療(内服薬、外用薬、漢方薬)をご提案しています。是非、一度ご相談ください。
