今年度の発熱・かぜシーズンの流行状況について
1. インフルエンザは例年より1カ月早くA型が流行し、昨年同様に猛威をふるっています。今年度の特徴は、インフルエンザH3型の変異株『サブクレードK』の流行で、厚生労働省のHPではその特徴をこれまでのウイルスと⽐較し、感染が拡⼤するスピードが早いものの、症状や重症度は従来の季節性インフルエンザと⼤きく変わらないものとされ、今年度の不活化インフルエンザHAワクチンにても有効性が保たれ、通常の抗インフルエンザウイルス薬が有効であるとされています。
当院での診療の印象は、10代以下の若年者に感染が多く、腹痛・嘔吐の症状も多いということです。また、ワクチン接種前にかかった人が多く、症状が5日以上長引く患者さんが一定数いらっしゃいます(通常は3-4日くらいで解熱し、症状改善)ので注意が必要です。また、せん妄や異常行動もあり、高熱が継続している1-2日は見守りが必要です。
当院の対応としては、抗ウイルス薬はなるべく早く(発熱後48時間以内)診断して投与が勧められており、積極的に抗原検査を行っています。鼻ぬぐい液(綿棒)検査が苦手な患者さんは、専用のティッシュの鼻水で検査可能です。
B型インフルエンザも発症し始めていますので、今年度一度インフルエンザにかかった方も、症状改善後1-2週間でワクチンの接種をすすめています。痛くない鼻ワクチンフルミストは終了していますのでご注意ください。
2.COVID-19(新型コロナウイルス)も感染者が一定数あり、決して終息はしていません。当院の現状では若年者にインフルエンザが多いのに対して、中・高年者に多い傾向がありますが、通常のかぜ症状で終わる患者さんがほとんどです。免疫低下が疑われる高齢患者さんには、抗ウイルス薬を積極的にお勧めしていますが、内服薬との相性がありますので、必ずお薬手帳をご提示お願いいたします。
3. マイコプラズマ肺炎、百日咳が疑われる患者さんも、今年度も大流行ではありませんがいらっしゃいます。特徴としては、高熱ではない発熱やしつこい咳が1週間以上長引くなどです。当院では、積極的に胸部X線を撮影し(抗原検査は正確性が不安定、遺伝子LAMP法は時間がかかるため)、気管支炎や肺炎が疑われる患者さんには適切な抗菌薬を処方しています。実際に、これまで適正とされていた抗菌薬にも耐性菌が報告されており、当院でもある一定数の患者さんは耐性菌でした。これらの知見をふまえて抗菌薬の選択には十分慎重に行っています。
4. 発熱患者さんや咳症状がひどい患者さんは、あらかじめお電話いただければ、発熱外来として予約させていただきますのでご協力おねがいいたします。
院長
