アナフィラキシー補助治療剤 アドレナリン点鼻液 ネフィー点鼻液について(2026.03.13)
ネフィー®点鼻液について
要約:ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーの補助治療薬として、アドレナリンを鼻腔内に投与する点鼻薬です。この薬は、アナフィラキシーの症状を迅速かつ非侵襲的に治療するために開発されました。これまでは、エピペン®と呼ばれる注射製剤がありましたが、本人が使用できない場合に、保護者、学校・幼稚園の先生、保育士、救命士であれば本人に代わって使用することが認められていました。今後は、侵襲なく投与できるネフィー®点鼻液がファーストチョイスになる可能性があり、当院では希望の方に処方できるようになりました。
使用方法: 鼻に1回シュッと噴霧するだけで、注射と同等の効果を発揮するとされています。
特徴: 針への恐怖がない、携帯しやすいコンパクトサイズ、誰でも使いやすい設計です。
効果: 臨床試験では、注射剤とほぼ同等の効果が出ています。
対象者: 体重15kg以上の患者に使用可能で、体重30kg未満の患者には1回1mg、体重30kg以上の患者には1回2mgを鼻腔内に投与します。
ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーの治療において、特に針に抵抗がある方にとって大きな希望となる新しい選択肢です。
アナフィラキシーとは…
アレルギー反応が全身で急激に起こり、命に関わることもある重い症状のことです。通常はアレルゲン(アレルギーを起こす原因)に触れるまたは体の中に入った数分〜30分程度で急速に発症し、さまざまな臓器に障害とともに、全身性にアレルギー症状があらわれ、生命に危機を与える過敏反応のことです。さらに、血圧低下や意識障害をともなう場合をアナフィラキシーショックといい、一刻を争う病態です。

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用
アナフィラキシーの主な症状: 複数の症状が同時に出ることが多いです。
皮膚症状
じんましん、かゆみ、赤み、顔や唇の腫れ

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用
呼吸器症状
息苦しい、ゼーゼーする、のどが締め付けられる感じ、声がれ、
循環器症状
血圧低下、めまい、意識がぼんやりする
消化器症状
腹痛、吐き気、嘔吐
*重症になると「アナフィラキシーショック」になり、意識消失や心停止の危険があります

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用
*アドレナリンとは…
体内から分泌されるホルモンの1つで、心拍数を増やし、血圧をあげる、気道をひろげる、粘膜や皮膚のむくみを改善する効果に即効性があります。
アナフィラキシーに対するアドレナリンの主な効果
① 気道を広げる(呼吸を楽にする)
β₂受容体刺激により
気管支拡張
喘鳴(ゼーゼー)の改善
呼吸困難の改善
→ 呼吸停止を防ぐ重要な作用
② 血圧を上げる(ショックを防ぐ)
α₁受容体刺激により
血管収縮
血圧上昇
→ アナフィラキシーショックの改善
③ 喉や皮膚の腫れを抑える
血管透過性を抑制して
喉のむくみ(喉頭浮腫)改善
じんましん改善
→ 窒息を防ぐ
④ アレルギー反応を抑える
β₂作用により
肥満細胞からのヒスタミン(アレルギーメディエータ)放出抑制
→ アレルギー反応の進行を止める
アナフィラキシー補助治療剤 アドレナリン点鼻液 ネフィー®点鼻液とは…

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用
ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーに対して使用されるアドレナリン(エピネフリン)製剤の点鼻薬です。従来の自己注射薬エピペンと同じ有効成分を使っていますが、鼻に噴霧するタイプという点が大きな特徴です。
ネフィー®点鼻液とは
薬剤分類:アナフィラキシー補助治療剤
有効成分:アドレナリン(エピネフリン)
剤形:点鼻液(鼻スプレー)
用法、用量:体重30kg未満には1回1mg、体重30kg以上には2mg 2回までが原則
*4歳未満(体重15kg未満)は、臨床試験未施行。すなわち、投与適応ではない。
日本発売:2026年2月
販売:アルフレッサファーマ
アナフィラキシー(食物・蜂毒・薬剤などによる重度アレルギー)に対し、緊急時に症状の進行を抑えるための補助治療薬です。
※あくまで応急処置なので、使用後は必ず医療機関受診が必要です。
特徴
① 注射ではなく「鼻スプレー」
従来のアドレナリン製剤は自己注射でしたが、ネフィーは針を使わない、片方の鼻に1回スプレーするだけという非侵襲的な投与が可能です。
→ 針が怖い人や子どもでも使いやすいのが大きなメリットです。
② 用量(体重で使い分け)
1 mg:体重 15〜30kg(主に小児)
2 mg:体重 30kg以上(成人・小児)
*症状が改善しない場合は10分後に追加投与可能とされており、できれば同じ鼻腔に投与します。
③ 作用(アドレナリンの効果)
アドレナリンは以下の作用があります
気管支拡張 → 呼吸を楽にする
血圧上昇 → ショック防止
血管収縮 → むくみ改善
*アナフィラキシーの第一選択薬です。
使用方法
1. アナフィラキシー症状が出たら片方の鼻腔に1回噴霧
2. 同時に救急要請
3. 必ずかかりつけ医療機関も受診
4. 改善しなければ約10分後に2回目(同じ鼻腔)。
注意点
*あくまで補助治療(根本治療ではない)。
*使用後は必ず救急搬送、できればかかりつけ医に連絡、受診。
*鼻疾患や心疾患、高血圧、内分泌疾患などでは注意。
*登録医による処方が必要。
*保存有効期間あり。
*家庭ごみとして廃棄できず、かかりつけ医に処分を依頼。
*当院では、念のため2本処方します。
アナフィラキシーの既往や可能性の高い方は、気軽にご相談ください。
「アトピー性皮膚炎の当院の軟膏治療について」を小児お役立ち資料集に追加しました(2026.03.12)
「2026年4月に変わる高齢者肺炎球菌ワクチンについて」を高齢者お役立ち資料集に追加しました(2026年3月8日)
アナフイラキシー補助治療剤「ネフィー(R)」の処方が可能になりました!(2026.03.03)
アナフィラキシーに対する補助治療剤「ネフィー(R)」の処方が可能なりました。ネフィー(R)は、アナフィラキシーの治療に有効なアドレナリンを含む点鼻薬で、アドレナリン自己注射薬「エピペン(R)」と同等の効果があるとされています。
処方希望または相談のある方は、当院に受診をお願いいたします。尚、お電話では詳細な説明が困難ですので、ご相談は直接ご来院ください。
院長
麻しんの予防について(2026.02.23)
麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で発熱、全身の発しん、また、咳、鼻水、目の充血などが主な症状です。
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
予防と対策
ワクチン:
麻しん含有ワクチン(麻しん風しん混合ワクチン:MRワクチン)を接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。日本では、2006年度より、1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種が導入されています。麻しん含有ワクチン(MRワクチン)を接種することによって、1回接種で93~95%以上、2回接種で97~99%以上の免疫獲得率が報告されています。
ワクチン接種フローチャート(日本環境感染学会)

A:麻しん抗体 EIA法(IgG) 2.0未満
B: 2.0以上16.0未満
C: 16.0以上
*麻しん含有ワクチンの世代別感染リスク
1. 1972(昭和47)年9月30日以前生まれ:定期摂接種なし、感染歴がなければ2回接種必要
2. 1972(昭和47)年10月1日~1990(平成2)年4月1日生まれ:
定期接種1回のみ、2回接種していなければ追加接種必要
3. 1990(平成2)年4月2日~2000(平成12)年4月1日生まれ:
定期接種1回のみ、特例措置の対象者であるが、中学1年生または高校3年生のときに接種がなければ追加接種必要
*特例措置:2008(平成20)年から5年間、当時中学1年生または高校3年生にMRワクチン追加
4.2000(平成12)年4月2日以降の生まれ:
定期接種2回(第1期生後12-24カ月、第2期5歳以上7歳未満)
*2006年4月からはMRワクチンへ変更
*麻しん含有ワクチンが最も有効な予防法といえます。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しん含有ワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。
γグロブリン:
麻しん患者に接触後4日以上6日以内であれば、γ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性があります。詳しくは、かかりつけの医師とご相談ください。
感染経路
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染し、その感染力は非常に強いと言われています。
・ 「接触感染」はウイルスが付着した手を介して広がり、「飛沫感染」は咳やくしゃみで飛散したウイルスを含む飛沫で感染が広がります
・ 「空気感染」では、集団の場で1人の発症があった場合、同じ空間にいる免疫のない方は、発症する可能性が非常に高いです
・ ウイルスは、浮遊中や物質の表面で最大2時間の活性があり、感染力を持ちます
・ 発症した患者さんでは、発疹の出る4日前から発疹出現の4日後(発症日の1日前から解熱後3日間を経過するまでの期間)まで感染力があると言われています。
症状
前駆期(カタル期)
感染後に10~12日の潜伏期間を経て発症する。発症時、38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感があり、小児では不機嫌となり、上気道炎症状(咳嗽、鼻漏、咽頭痛)と結膜炎症状(結膜充血、眼脂、羞明)がほぼ同時に現れ、次第に増強する。乳幼児では8~30%に消化器症状として下痢、腹痛を伴う。発疹出現の1~2日前頃に頬粘膜の臼歯対面に、やや隆起し紅暈に囲まれた約1mm径の白色小斑点(コプリック斑)が出現する。コプリック斑は診断的価値があるが届出基準には含まれない。発疹出現後2日目を過ぎる頃までに急速に消失する。また、口腔粘膜は発赤し、口蓋部には粘膜疹がみられ、しばしば溢血斑を伴うこともある。
発疹期
前駆期(カタル期)での発熱が1℃程度下降した後、半日くらいのうちに再び高熱(多くは39.5℃以上)が出るとともに(2峰性発熱)、特有の発疹が耳後部、頚部、前額部より出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕に及び、2日後には四肢末端にまで及ぶ。発疹が全身に広がるまで、発熱(39.5℃以上)が3~4日間続く。発疹は初め鮮紅色扁平であるが、まもなく皮膚面より隆起し、融合して不整形斑状(斑丘疹)となる。指圧によって退色し、一部には健常皮膚面を残す。発疹は次いで暗赤色となり、出現順序に従って退色する。発疹期にはカタル症状は一層強くなり、特有の麻しん様顔貌を呈する。
回復期
発疹出現後3~4日間続いた発熱も回復期に入ると解熱し、全身状態、活力が改善してくる。発疹は退色し、色素沈着がしばらく残り、僅かの糠様落屑がある。カタル症状も次第に軽快する。
合併症のないかぎり7~10日後には回復する。患者の気道からのウイルス分離は、前駆期(カタル期)の発熱時に始まり、第5~6発疹日以後(発疹の色素沈着以後)は検出されない。この間に感染力をもつことになるが、カタル期が最も強い。
合併症
1)肺炎
麻しんの二大死因は肺炎と脳炎であり、注意を要する。肺炎の合併は6%に認められ、乳児では死亡例の60%は肺炎に起因するものである。
2)中枢神経系合併症
1,000例に0.5~1例の割合で脳炎を合併し、思春期以降の麻しんによる死因としては肺炎よりも多い。発疹出現後2~6日頃に発症することが多く、麻しんの重症度と脳炎発症には相関はない。
3)中耳炎
4)クループ症候群
5)心筋炎
6)亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis:SSPE)
発症のリスクとして知られているのは、2歳未満での麻しん罹患である。潜伏期間は4~8年とされており、6~10歳頃に発症することが多いとされるが、それ以外の年齢で発症する場合もある。知的能力の低下、運動障害が徐々に進行し、ミオクローヌスなどの錐体・錐体外路症状を示すが、特に成人発症例では、非典型的な経過をとることが多い。
修飾麻しん
修飾麻しんは、麻しんウイルスの感染に対する免疫が不十分なヒト、例えば母体からの移行抗体をもつ乳児、麻しん含有ワクチンによって誘導された免疫が不十分な場合等に、麻しんウイルスが感染したときに現れる病型のひとつである。修飾麻しんは上述したような典型的な麻しんの症状を示さず一般的に軽症で、感染力も典型的な麻しんと比較すると弱い。症状は、微熱、発熱期間が短い、カタル症状を認めない、限局性の発疹などである。
感染力が強い感染症
基本再生産数(R0):感染症にかかった1人の患者が、平均して何人に感染を広げるかを示す数字です。
ちなみに、インフルエンザは1.2-1.4とされています。
麻疹(はしか)基本再生産数: 約12~18 潜伏期間: 10~14日
*ウイルスは空気感染・飛沫感染で広がり、非常に小さく軽いため空気中に長時間漂うことができ、ウイルスは室内の空気中2時間ほど感染力を保つため、患者がいた部屋に後から入った人が感染することもある。
百日咳(ひゃくにちぜき)基本再生産数: 約12~17 飛沫感染 潜伏期間: 5~10日
水痘(みずぼうそう)基本再生産数: 約10~12 空気感染、飛沫感染、接触感染 潜伏期間: 14~16日
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)基本再生産数: 推定4~7程度 飛沫感染、接触感染 潜伏期間: 16~18日
風疹(ふうしん、三日ばしか)基本再生産数: 約6~7 飛沫感染 潜伏期間: 2~3週間
治療方法
基本的には、発熱に対する解熱剤など症状に応じた対症治療を行います。
参考:
国立健康危機管理研究機構JIHS 感染症情報提供サイト 麻しん(詳細版)
厚生労働省 麻しん(五類)、MRワクチン
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター はしか(麻しんウイルス感染症にご注意ください!!
花粉症のシーズンになりました 2026.2.22更新
2026年 春の花粉飛散予測(第3報) – 日本気象協会 tenki.jp
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど、つらい花粉症の症状はありませんか?
当院では、花粉症のお薬の処方も可能です。
「毎年同じ薬を続けたい」
「眠くなりにくい薬に変えたい・症状に合わせて薬を調節してほしい」
「眼瞼クリームを使ってみたい」
「定期の薬と一緒に処方してほしい」
「風邪症状なのか、花粉症の症状なのかわからない」
などもお気軽にご相談ください。
お子様からご高齢の方まで、ご家族みんなで通えるかかりつけ医として、花粉症治療をサポートします。発熱以外の予約は不要なので、直接ご来院ください。
院長
成人お役立ち資料集に「花粉症にお勧めの食材と漢方薬」を更新しました(2026.03.01)
目のかゆみ、アレルギーに1日1回まぶたに塗るクリーム(アレジオン眼瞼クリーム)追加情報2025.11.22
持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン®眼瞼クリーム 0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩、以下アレジオン®クリーム)
世界で初めての 1 日 1 回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤として処方可能になりました。従来より抗アレルギー薬として、内服だけでなくアレルギー性結膜炎の治療として点眼薬でも使用されていたアレジオンが、アレジオンクリームとして1 日 1 回上下の眼瞼に指で直接触れながら塗布することで、アレルギー性結膜炎に対する治療効果を発揮するものです。
以下に最新データを追加します。


どちらも動物実験のデータですが、眼瞼クリームは即効性にすぐれ、毎日使用することで相加効果もあり、点眼薬よりかゆみの抑制に有用な可能性があります。
注意事項:
1. 12歳未満の小児には治験データがないため注意が必要になりますが、点眼薬の苦手なお子様にはご相談の上慎重に処方させていただきます。
2. コンタクトレンズ使用中の方にも使用可能です。
3. 点眼薬と併用する場合は、点眼薬を最初に使い、そのあとに眼瞼クリームを塗布するようにしましょう。
2026年舌下免疫療法について

当院では、即効性で眠気が少ないビラノア(R)や、鼻炎・かゆみなどの症状抑制に有効とされる抗血小板活性化因子(PAF)効果が追加されたルパフィン(R)、血液中の薬物濃度が安定していて効果が一定なアレサガテープ(R)も処方しています。鼻詰まりの強い方には、オノン(R)やシングレア(R)も併用可能です。従来の抗アレルギー薬で効果が不十分な方は、一度薬剤の変更などもご検討ください。また、目薬が苦手な方は、寝る前にまぶたに1回のみ塗布するアレジオン(R)眼瞼クリームもあります。漢方薬(小青竜湯など)の併用も有効な場合が多いです。鼻の吸入薬や目薬も各種相談に応じて処方しています。
さらに当院では、スギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)やダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が可能です。舌下免疫療法とは、アレルゲンと呼ばれるアレルギーの原因を含む治療薬を服用してアレルギーを治療することで、注射の痛みがなく、自宅で可能な治療法です。どちらも個人差はあるようですが、約70~80%に効果が認められ(治る可能性は20%くらい)、アナフィラキシー(血圧低下や呼吸困難など)とよばれる重篤な副作用は極めて少ないと言われています。ただし、口のかゆみやはれ、不快感など軽度のものが認められることはあります。効果は、鼻炎だけでなく、眼やのどの症状にも有効で、他のアレルギー治療薬を減らせる効果が期待できます。ただし、現在のところ、スギ花粉症、ダニ(ハウスダストも可能性あり)によるアレルギー性鼻炎のみしか薬がなく、他のアレルギーには無効です。気管支喘息に関しては、保険適応ではありません。
内服は1日1回で、5歳から65歳までの方が投与可能です。ステロイド剤の内服以外は、他のお薬と併用可能です。最低2年間内服して、3~5年内服継続し、効果が安定していれば、一旦終了する治療です。そして、また症状再燃あれば再開することになります。この治療は、内服してすぐに効果がでるものではないので、効果が期待できるのに3ヶ月以上かかると言われているので、スギ花粉症の治療であれば10月までに開始することをおすすめしています(スギ花粉症の場合、飛散時期には開始しない方がいいと言われているので、1月から5月の間はおすすめしません。また、早ければ早く始めた方が有効なようなので6月からがおすすめです)。ダニについては、特におすすめの期日はありませんが、花粉症のシーズンは避けることをおすすめしています。最初の1か月は、副作用の確認のため、1~2週間ごとに通院していただきますが、2か月目以降安定すれば1か月に1回の通院で可能です。
実際に治療を開始する際には、身体診察にアレルギーなどの問診にくわえて、鼻の診察、採血によるアレルゲンの確認を行い、投薬可能かどうか判定させていただきます。1回の診察ですみますが、結果判明まで約1~2週間かかります。初回投与は、安全のために院内で行い、30分ほど院内で経過を診させていただきます。以下に、治療のおすすめの方をあげさせていただきます。
- スギ花粉症やダニアレルギーが採血などで確定している。
- アレルギーの症状が強く、薬の効果が少ない。
- アレルギーの薬の副作用(眠気や口の渇き、倦怠感など)がつらい。
- 受験や妊娠などのイベントが数年以内に予定されている(ただし、妊娠中の内服については医師の判断になるため、治療終了時の妊娠が安全です)。
- アレルギーの症状や薬の副作用が差し支える職種である。
逆に、治療について注意が必要な方は、
- アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こしたことがある方
- 安定していない気管支喘息
- 重篤な心疾患、肺疾患のある方
- ステロイドや免疫抑制剤をのんでいる、がんなどの治療中の方
- 口の中に傷がある、口内炎などの口の中に炎症がある方
- 妊娠、授乳中の方
- 12歳未満、65歳超の方
治療のご相談は、当院までお願いいたします。
2025-2026発熱・かぜシーズンの当院の対応について 2025.12.03
今年度の発熱・かぜシーズンの流行状況について
1. インフルエンザは例年より1カ月早くA型が流行し、昨年同様に猛威をふるっています。今年度の特徴は、インフルエンザH3型の変異株『サブクレードK』の流行で、厚生労働省のHPではその特徴をこれまでのウイルスと⽐較し、感染が拡⼤するスピードが早いものの、症状や重症度は従来の季節性インフルエンザと⼤きく変わらないものとされ、今年度の不活化インフルエンザHAワクチンにても有効性が保たれ、通常の抗インフルエンザウイルス薬が有効であるとされています。
当院での診療の印象は、10代以下の若年者に感染が多く、腹痛・嘔吐の症状も多いということです。また、ワクチン接種前にかかった人が多く、症状が5日以上長引く患者さんが一定数いらっしゃいます(通常は3-4日くらいで解熱し、症状改善)ので注意が必要です。また、せん妄や異常行動もあり、高熱が継続している1-2日は見守りが必要です。
当院の対応としては、抗ウイルス薬はなるべく早く(発熱後48時間以内)診断して投与が勧められており、積極的に抗原検査を行っています。鼻ぬぐい液(綿棒)検査が苦手な患者さんは、専用のティッシュの鼻水で検査可能です。
B型インフルエンザも発症し始めていますので、今年度一度インフルエンザにかかった方も、症状改善後1-2週間でワクチンの接種をすすめています。痛くない鼻ワクチンフルミストは終了していますのでご注意ください。
2.COVID-19(新型コロナウイルス)も感染者が一定数あり、決して終息はしていません。当院の現状では若年者にインフルエンザが多いのに対して、中・高年者に多い傾向がありますが、通常のかぜ症状で終わる患者さんがほとんどです。免疫低下が疑われる高齢患者さんには、抗ウイルス薬を積極的にお勧めしていますが、内服薬との相性がありますので、必ずお薬手帳をご提示お願いいたします。
3. マイコプラズマ肺炎、百日咳が疑われる患者さんも、今年度も大流行ではありませんがいらっしゃいます。特徴としては、高熱ではない発熱やしつこい咳が1週間以上長引くなどです。当院では、積極的に胸部X線を撮影し(抗原検査は正確性が不安定、遺伝子LAMP法は時間がかかるため)、気管支炎や肺炎が疑われる患者さんには適切な抗菌薬を処方しています。実際に、これまで適正とされていた抗菌薬にも耐性菌が報告されており、当院でもある一定数の患者さんは耐性菌でした。これらの知見をふまえて抗菌薬の選択には十分慎重に行っています。
4. 発熱患者さんや咳症状がひどい患者さんは、あらかじめお電話いただければ、発熱外来として予約させていただきますのでご協力おねがいいたします。
院長
