熱中症の予防と応急処置

熱中症は、暑い環境下、あるいは、運動などによって体の中でたくさん熱を作るような状況にあった人に発症し、以下のような様々な症状が出現します。

軽症一般に体温が38℃未満立ちくらみ。こむら返り(四肢の一部のけいれん)。皮膚がじっとり。
中等症一般に体温が38℃以上頭痛(頭重感)、吐き気、嘔吐、のどが非常に渇く。不安、しびれ。
重症一般に体温が40℃以上意識喪失(1-2分以上)、意識障害(おかしな言動や行動)、全身けいれん、手足の運動障害、呼吸数増加。

水分補給について

  • 汗をかくと、水分と塩分が体から失われます。これらを最も適切に補給できるのは、スポーツドリンクです。野菜ジュースや糖分を多く含んだジュースなどは水分が吸収されにくく、また、お茶やミネラルウォーターでは、塩分が補給できません。
  • ただし、スポーツドリンクでも、実際には塩分量が十分ではありませんので、発汗の著しい場合は、食塩をなめたり、塩分を強化したドリンク(OS-1、オーエスワン) を、飲まれることをお勧めします。ゼリータイプ(アクトウオーター)もあります。

暑い環境下に長時間いる際の注意

  • のどが渇いたと感じる前に飲む。(のどが渇いたと感じた時、すでに軽い脱水は始まっています。)
  • 定期的な水分補給をする。(15分~30分に1回、1口~200mlの量)
  • 運動や仕事の30分程度前に、あらかじめ水分補給をしておく。(250~500ml程度)

現場での応急処置

  1. 風通しのよい日陰に避難し、できればクーラーのついた室内へ移動し、安静にします。
  2. スポーツドリンクで水分補給をします。
  3. 衣服を脱がせて、皮膚にぬるま湯をかけて、うちわや扇風機などで風を送ります。水分が蒸発する際に体か熱が奪われる作用を利用して体を冷やします。
  4. 氷のうがあれば、それを首、脇の下、大腿部の付け根にあてて冷やします。
  5. ふくらはぎや腹部の筋肉の痙攣がある際には、冷水タオルをつけて、震えているところへマッサージを行ないます。

以上でも、症状が改善しない、または悪化するようなら、病院にいきましょう。

2026年度乳幼児ワクチン接種予定表

当院で使用している乳幼児の定期接種・任意接種の予定表です。参考にしてください。

*スムーズなワクチン接種を行うために、年齢にかかわらず、肩まで露出可能な服装で来院をお願いいたします。

 *明らかな炎症性疾患(かぜなど)や発熱37.5度以上のある方は、接種できません。

 *重篤なウイルス性疾患(麻疹)にかかった方は治癒後4週間程度、風疹、おたふくかぜ、水痘などにかかった方は治癒後2~4週間、インフルエンザや新型コロナウイルス、溶連菌感染、りんご病、手足口病などにかかった方は治癒後1~2週間は接種できません。

 てんかんやけいれん、熱性けいれんなどの既往があり、最近1-2ヶ月以内に発作を起こされた方は、あらかじめご相談ください。

 *関節リウマチ、膠原病、炎症性腸疾患などで生物学的製剤を使用中の方も、あらかじめご相談ください。

 *接種後は、初回接種ワクチンや子宮頸癌ワクチンの場合、15~30分病院で待機していただきます。

 *皮下接種部位の候補場所として、上腕外側と大腿前外側があげられます。
上腕ならびに大腿の同側の近い部位に接種する場合は、接種部位の局所反応が出た場合に重ならないように、少なくとも2.5cm以上あけます。

日本小児科学会「日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方」より引用

アナフィラキシー補助治療剤 アドレナリン点鼻液 ネフィー点鼻液について(2026.03.13)

ネフィー®点鼻液について

要約:ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーの補助治療薬として、アドレナリンを鼻腔内に投与する点鼻薬です。この薬は、アナフィラキシーの症状を迅速かつ非侵襲的に治療するために開発されました。これまでは、エピペン®と呼ばれる注射製剤がありましたが、本人が使用できない場合に、保護者、学校・幼稚園の先生、保育士、救命士であれば本人に代わって使用することが認められていました。今後は、侵襲なく投与できるネフィー®点鼻液がファーストチョイスになる可能性があり、当院では希望の方に処方できるようになりました。

使用方法: 鼻に1回シュッと噴霧するだけで、注射と同等の効果を発揮するとされています。

特徴: 針への恐怖がない、携帯しやすいコンパクトサイズ、誰でも使いやすい設計です。

効果: 臨床試験では、注射剤とほぼ同等の効果が出ています。

対象者: 体重15kg以上の患者に使用可能で、体重30kg未満の患者には1回1mg、体重30kg以上の患者には1回2mgを鼻腔内に投与します。 

ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーの治療において、特に針に抵抗がある方にとって大きな希望となる新しい選択肢です。

アナフィラキシーとは

 アレルギー反応が全身で急激に起こり、命に関わることもある重い症状のことです。通常はアレルゲン(アレルギーを起こす原因)に触れるまたは体の中に入った数分〜30分程度で急速に発症し、さまざまな臓器に障害とともに、全身性にアレルギー症状があらわれ、生命に危機を与える過敏反応のことです。さらに、血圧低下や意識障害をともなう場合をアナフィラキシーショックといい、一刻を争う病態です。

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用

アナフィラキシーの主な症状: 複数の症状が同時に出ることが多いです。

皮膚症状
 じんましん、かゆみ、赤み、顔や唇の腫れ

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用

呼吸器症状
息苦しい、ゼーゼーする、のどが締め付けられる感じ、声がれ、

循環器症状
血圧低下、めまい、意識がぼんやりする

消化器症状
腹痛、吐き気、嘔吐

*重症になると「アナフィラキシーショック」になり、意識消失や心停止の危険があります

アナフィラキシーガイドライン2022 日本アレルギー学会より引用

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用

*アドレナリンとは…

 体内から分泌されるホルモンの1つで、心拍数を増やし、血圧をあげる、気道をひろげる、粘膜や皮膚のむくみを改善する効果に即効性があります。

アナフィラキシーに対するアドレナリンの主な効果
① 気道を広げる(呼吸を楽にする)

 β₂受容体刺激により

  気管支拡張
  喘鳴(ゼーゼー)の改善
  呼吸困難の改善

   → 呼吸停止を防ぐ重要な作用
② 血圧を上げる(ショックを防ぐ)
 α₁受容体刺激により
  血管収縮
  血圧上昇
   → アナフィラキシーショックの改善
③ 喉や皮膚の腫れを抑える
 血管透過性を抑制して
  喉のむくみ(喉頭浮腫)改善
  じんましん改善
   → 窒息を防ぐ
④ アレルギー反応を抑える
 β₂作用により
  肥満細胞からのヒスタミン(アレルギーメディエータ)放出抑制
   → アレルギー反応の進行を止める

アナフィラキシー補助治療剤 アドレナリン点鼻液 ネフィー®点鼻液とは…

ネフィー®ガイドブック アルフレッサファーマ株式会社より引用

 ネフィー®点鼻液は、アナフィラキシーに対して使用されるアドレナリン(エピネフリン)製剤の点鼻薬です。従来の自己注射薬エピペンと同じ有効成分を使っていますが、鼻に噴霧するタイプという点が大きな特徴です。


ネフィー®点鼻液とは
薬剤分類:アナフィラキシー補助治療剤
有効成分:アドレナリン(エピネフリン)
剤形:点鼻液(鼻スプレー)

用法、用量:体重30kg未満には1回1mg、体重30kg以上には2mg 2回までが原則

*4歳未満(体重15kg未満)は、臨床試験未施行。すなわち、投与適応ではない。
日本発売:
2026年2月
販売:アルフレッサファーマ
アナフィラキシー(食物・蜂毒・薬剤などによる重度アレルギー)に対し、緊急時に症状の進行を抑えるための補助治療薬です。
※あくまで応急処置なので、使用後は必ず医療機関受診が必要です。

特徴
① 注射ではなく「鼻スプレー」

従来のアドレナリン製剤は自己注射でしたが、ネフィーは針を使わない、片方の鼻に1回スプレーするだけという非侵襲的な投与が可能です。
 → 針が怖い人や子どもでも使いやすいのが大きなメリットです。
用量(体重で使い分け)
 1 mg:体重 15〜30kg(主に小児)
 2 mg:体重 30kg以上(成人・小児)
*症状が改善しない場合は10分後に追加投与可能とされており、できれば同じ鼻腔に投与します。
③ 作用(アドレナリンの効果)

アドレナリンは以下の作用があります
 気管支拡張 → 呼吸を楽にする
 血圧上昇 → ショック防止
 血管収縮 → むくみ改善
 *アナフィラキシーの第一選択薬です。
使用方法

1. アナフィラキシー症状が出たら片方の鼻腔に1回噴霧

2. 同時に救急要請
3. 必ずかかりつけ医療機関も受診
4. 改善しなければ約10分後に2回目(同じ鼻腔)。

注意点

*あくまで補助治療(根本治療ではない)。

*使用後は必ず救急搬送、できればかかりつけ医に連絡、受診。

*鼻疾患や心疾患、高血圧、内分泌疾患などでは注意。

*登録医による処方が必要。

*保存有効期間あり。

*家庭ごみとして廃棄できず、かかりつけ医に処分を依頼。

*当院では、念のため2本処方します。

アナフィラキシーの既往や可能性の高い方は、気軽にご相談ください。