≪熱中症の予防と応急処置≫
熱中症は、暑い環境下、あるいは、運動などによって体の中でたくさん熱を作るような状況にあった人に発症し、以下のような様々な症状が出現します。
【軽症】(一般に体温が38℃未満)
立ちくらみ。こむら返り(四肢の一部のけいれん)。皮膚がじっとり。
【中等症】(一般に体温が38℃以上)
頭痛(頭重感)、吐き気、嘔吐、のどが非常に渇く。不安、しびれ。
【重症】(一般に体温が40℃以上)
意識喪失(1-2分以上)、意識障害(おかしな言動や行動)、全身痙攣、手足の運動障害、呼吸数増加。
●水分補給について
・ 汗をかくと、水分と塩分が体から失われます。これらを最も適切に補給できるのは、スポーツドリンクです。野菜ジュースや糖分を多く含んだジュースなどは水分が吸収されにくく、また、お茶やミネラルウォーターでは、塩分が補給できません。
・ ただし、スポーツドリンクでも、実際には塩分量が十分ではありませんので、発汗の著しい場合は、食塩や塩飴をなめたり、塩分を強化したドリンク(OS-1、オーエスワン) を、飲まれることをお勧めします。ゼリータイプもあります。
●暑い環境下に長時間いる際の注意
・ のどが渇いたと感じる前に飲む。(のどが渇いたと感じた時、すでに軽い脱水は始まっています。ただし、マスクをしているとのどの渇きがわかりにくくなっています。)
・ 定期的な水分補給をする。(15分~30分に1回、1口~200mlの量)
・ 運動や仕事の30分程度前に、あらかじめ水分補給をしておく。(250~500ml程度)
- マスクは屋外で人と2m以上離れているときは、外す。
●現場での応急処置
① 風通しのよい日陰に避難し、できればクーラーのついた室内へ移動し、安静にします。
② スポーツドリンクで水分補給をします。
③ 衣服を脱がせて、皮膚にぬるま湯をかけて、うちわや扇風機などで風を送ります。水分が蒸発する際に体から熱が奪われる作用を利用して体を冷やします。
④ 氷のうがあれば、それを首、脇の下、大腿部の付け根にあてて冷やします。
⑤ ふくらはぎや腹部の筋肉の痙攣がある際には、冷水タオルをつけて、震えているところへマッサージを行ないます。
以上でも、症状が改善しない、または悪化するようなら、病院にいきましょう。
たけうちファミリークリニック 052-752-1780
厚生労働省 高齢者のための熱中症対策(熱中症予防のための情報・資料サイトより)