薬膳(やくぜん)とは、中医学(中国伝統医学)の考え方に基づいた食事法で、「食事によって体質を整え、病気を予防・改善する」ことを目的としています。難しそうに聞こえますが、「身近な食材、できれば旬なものをおいしくいただき、自分の栄養、体質改善につなげる」という先人たちののこした考え方です。
薬膳の基本的な考え方は以下の通りです。
① 食べ物にも「性質」がある
食材は体を温める・冷やすなどの性質を持つと考えます。
温・熱性:体を温める
例:生姜、にんにく、ねぎ、羊肉、シナモン
寒・涼性:体の熱を冷ます
例:きゅうり、トマト、なす、スイカ、緑茶
平性:どちらにも偏らない
例:米、じゃがいも、キャベツ、卵
→ これらは、体質や季節に合わせて選ぶのがポイントです。
② 体質(証)を重視する
同じ人でも体調によって合う食べ物が変わります。
代表的な体質例:
冷えやすい(瘀血):温める食材を多めに
疲れやすい(気虚):エネルギーを補う食材
のぼせ・イライラ(隠虚):体を冷ます食材
むくみやすい(痰湿):水分代謝を助ける食材
③ 季節に合わせて食べる
薬膳では「旬」をとても大切にします。
春:デトックス(新陳代謝)・肝(エネルギー・栄養・元気)を養う…菜の花、たけのこ
夏:体を冷やし水分補給…トマト、きゅうり
秋:乾燥対策・肺(呼吸・免疫)を潤す…梨、白きくらげ
冬:体を温め、腎(水分代謝・ホルモン環境)を補う…黒豆、山芋、生姜
以上のように、薬膳は「特別な料理」ではなく、さらによくある誤解ですが、漢方薬を使う料理=薬膳ではありません。いつもの家庭料理で、コンビニ食品や外食の際にも体調に合った食材選びをすれば薬膳になります。
今の寒い時期にぴったりの食材をお示しします。
体を温めるおすすめ食材
*一般的に言われている効果を記載していますが、あくまでも体質によって差があります。また、内服されている薬によっては併用できないものもあり、必ず主治医に確認をお願いいたします。
生姜(生姜しょうきょう、葛根湯、半夏厚朴湯、ジンゲロール、ショウガオール):発汗・解熱↑、胃腸作用(温熱)↑、血の巡り↑、咳・痰(温熱)↓、関節痛↓、 むくみ↓ ×アトピー、感染性皮膚炎、ニキビには不向き
ニンニク(大蒜おおびる、アリシン、ビタミンB1):気血の巡り↑、胃腸作用↑、殺菌作用↑、疲労回復、免疫力↑、脳の活性化
*気血とは・・・気:エネルギー、元気と血:血液と栄養のことをさします。
ネギ(葱白そうはく、硫化アリル、ビタミンC、葉酸、フルクタン、カロチン):発汗・解熱↑、関節炎・頭痛↓、胃腸作用↑、血の巡り↑、疲労回復、免疫力↑
たまねぎ(硫化アリル、ビタミンB1): 気血の巡り↑、食欲↑、腹部膨満↓、疲労回復
ニラ(韮子きょうし、硫化アリル、ビタミンB1):血の巡り↑、足腰の力↑、腰痛↓、疲労回復、免疫力↑
しそ(蘇葉そよう、半夏厚朴湯):気を補う、体の温め↑、利尿↑、胃腸作用↑、お腹の張り↓、悪心・嘔吐↓
かぼちゃ(ベータカロチン、コバルト):気を補う、血の巡り↑
鮭(アスタキサンチン、ビタミンD、EPA、DHA):気血を補う、血の巡り↑、胃腸働き↑
えび:気を補う、むくみ↓、頻尿↓、足腰の強さ↑
羊肉(Lカルニチン):気を補う、疲労回復、食欲↑
鶏肉(イミダゾールジペプチド):気を補う、疲労回復、胃腸作用↑
カレー:
コリアンダー(パクチー):解毒、気の巡り↑、胃腸作用↑、できもの・発疹↓
クローブ(ちょうじ丁子):腹痛・胃痛↓、嘔気・吃逆↓、腰痛↓
フェンネル(ういきょう茴香):胃腸作用↑、気の巡り↑
スターアニス(はっかく八角):胃腸作用↑、胃痛・腰痛↓、気の巡り↑
シナモン(けいひ桂皮):胃腸作用↑、腰痛↓、四肢の温め
ジンジャー(しょうきょう生姜):胃腸作用(温熱)↑、血の巡り↑
ターメリック(ウコン):肝庇護
コショウ(胡椒):胃腸作用↑、腹痛・胃痛↓、消化吸収↑
サンショウ(山椒、大建中湯):腹痛↓、便秘↓
