小児の夜尿症(おねしょ)について

小児の夜尿症(おねしょ)

小児の夜尿症(おねしょ)は、5歳以降になっても睡眠中に尿が漏れてしまう状態をいいます。成長の途中ではよくあることで、特に小学校低学年までは珍しくありません。

自立した蓄尿・排尿までの過程の確認

新生児は,昼夜問わず1日に約20回の排尿をしています。この時期は尿を貯めることよりも出すことが優先される「反射的排尿(自然に尿がでてしまう)」の段階と考えられます。

1歳前後になると、次第に反射的排尿を抑制する神経機能が発達します。また成長に伴って膀胱が大きくなるため1回あたりの排尿量は増え、排尿回数は1日あたり8~12回程度となります。この時期は「蓄尿作用増強(尿をためれるようになる)」の段階と考えられます。

2~4歳頃には、膀胱充満の知覚が大脳に伝達されるようになり、尿がしたくなる感覚を周囲へ知らせることが 可能となります。トイレへ誘導されれば意図的に蓄尿を解除してトイレでの排尿が可能になることから、おむつを外すためのトイレットトレーニングが開始可能となる時期でもあります。

4歳過ぎになると,膀胱充満を尿意(=意図的に尿を出せる前兆)として認識できるようになり、促されなくても自分で判断してトイレに行って排尿することが可能となります.この段階で昼間のおもらし(昼間尿失禁)は減少し、やがて消失します。寝ている間の夜尿と、起きている時間帯の昼間尿失禁の自然治癒の傾向としては、先に昼間の症状が消失してから、約半年遅れて夜尿が自然消失していくことが報告されています。つまり一般的には、4歳半から遅くとも5歳までには昼間尿失禁に続いて、夜尿も認めなくなることが多いと言われています。

学校保健研究64:2022 おねしょ・おもらしについて 西崎直人より引用

夜尿症とは…

 (夜間)就寝中に不随意に(自分では我慢できない)尿を漏らすことを「夜尿」と言い、5歳以降で1か月に1回以上の夜尿が3カ月以上続く状態を「夜尿症}と言います。

夜尿症の主な原因は…

いくつかの要因が重なって起こることが多いです。

  • 夜間につくられる尿の量が多い
  • 膀胱(ぼうこう)の容量がまだ小さい
  • 眠りが深く、尿意で目覚めにくい
  • 発達や体質の影響
  • 便秘が関係することもある

年齢の目安

  • 5歳:15〜20%くらいにみられる
  • 小学校入学頃には徐々に減少
  • 成長とともに自然に改善する子も多い

家庭でできる工夫

生活リズム

  • 早寝早起き
  • 寝る前に必ずトイレ 

 ただし、就寝中に強制的に起こしてトイレへ行かせることはしない

  • 夕方以降の水分を「極端に制限しすぎない程度(就寝2時間前からコップ1杯程度)」に調整

 ただし、習い事や塾があると夕食が遅くなり、飲水量が過度になるので注意

排尿習慣

  • 日中に我慢しすぎない
  • 定期的にトイレへ行く
  • 便秘対策をする

指導

指導の基本姿勢

「子どもを責めない」

*夜尿はわざとではありません。

  • 「怠けているわけではない」
  • 「成長途中によくあること」
  • 「少しずつ改善していく」

と説明し、叱責や罰を避けるよう伝えます。

保護者の声かけ例

良い関わり

  • 「大丈夫、少しずつ成長しているよ」
  • 「昨日は濡れる量が少なかったね」
  • 「トイレ行けたね」

避けたい関わり

  • 「また失敗したの?」
  • 「お兄ちゃんはできたのに」
  • 「気合いが足りない」

*比較やプレッシャーは逆効果になりやすいです。

モチベーション支援

シール表などで、

  • 起きてトイレに行けた
  • 寝る前に排尿できた
    など「できた行動」を褒める方法は有効です。

*「濡れなかった日」だけを評価しないこともポイントです。

小児科受診の目安

次のような場合は小児科受診がおすすめです。

  • 6〜7歳を過ぎても頻回
  • 昼間の尿もれがある
  • 急に夜尿が始まった
  • 強いいびきがある
  • 尿が痛い、回数が多い
  • 便秘がひどい

治療について…

1. まずは排尿日誌

2. 代表的な治療には:

  • 夜尿アラーム療法
  • 抗利尿ホルモン薬、過活動膀胱薬、漢方薬など
  • 排尿トレーニング

があります。年齢や頻度、本人の困り感に合わせて選びます。

*小児の夜尿症は「怠け」ではなく、発達や体の機能に関係するものです。周囲が安心して見守ることが改善につながります。

お困りのことがあればスタッフまでご相談ください。

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